QCサークル 2022年11月号(No.736)


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事例1そのグラフで正しい情報が伝えられますか?《グラフの使い方の誤り》日々の工程管理や問題解決のために採取したデータを図で表し,その状態や変化を視覚に訴え理解しやすくしたものがグラフであり,改善活動でもっとも多く使われる手法です。正しく表現することでデータの持つ情報をつかむことができますが,使い方を誤ると違った判断となったり,問題解決が遠回りすることもあります。そうしたことが起きないように,誤ったグラフの使い方を事例で考えてみましょう。折れ線グラフでの縦軸目盛り表示について考える1.1図・1は,ある工程にある4台の工作機械(No.1~No.3)の,可動率※の変化を対比して折れ線グラフで表したものです。折れ線グラフは,線の高低によって数値の大小が一目で比較できるとともに,時間経過による変化がわかりやすいといった特徴があります。一方,図・2~図・4はそれぞれの工作機械別の変化を個々に示したものですが,縦軸のレベル(最大・最小)によって,誤った結果判断をしてしまう可能性がある事例です。工作機械No.1の可動率は(図・2参照),時間とともに徐々に下がってはいるものの,その減少はあまり目立ちません。これに対してNo.2(図・3参照)は,大きなばらつきを生じながら上昇しているように見え,No.3(図・4参照)においては,ある時間帯のみ大きく落ち込んでいると判断されてしまいます。(%)706050403020100可動率91011121314設備No.11516観測時間設備No.2171819202122(時)910111213141516観測時間171819202122(時)設備No.3図・1工作機械No.1,2,3可動率図・2工作機械No.1可動率(%)9590858075可動率(%)1009080706050403020100可動率(%)8580757065可動率910111213141516観測時間171819202122(時)910111213141516観測時間171819202122(時)図・3工作機械No.2可動率図・4工作機械No.3可動率10QCサークルNo.736


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