QCサークル 2020年10月号(No.711)


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変化をチャンスに!変化に対応したオンライン発表会事例1“無観客でのオンライン大会”に挑む㈱小松製作所大阪工場1.はじめに新型コロナウィルスの影響を受け,テレワークによる在宅勤務となった職場が多い中,大阪工場の生産現場では,感染回避の予防を徹底しながら従来通り業務もQCサークル活動についても継続して実施しています。そんな中,これまで一堂に会することを大前提としていたQCサークル発表大会について,情報機器をうまく活用し,新たな「発表大会」に挑戦することが求められるようになりました。2.事例の紹介2.1リスクの洗い出しと課題の明確化コマツでは,コロナ以前よりWeb会議システムを活用し,国内工場の同じ部署だけで行うQCサークルの部門別大会を各工場順に発表を行っていました。当初は,「声が聞こえない」,「動画がぎこちない」,「スライドと声が合わない」や「機材トラブル」などが多く発生していました。各工場の推進委員と不具合の洗い出しと要因の仮説・検証を行うことで原因を追究し,有線LANへのつなぎやPC操作の標準化など多くの対策を講じ,最近では大会運営もスムーズに行えるまで経験と実績を積み重ねてきました。しかし,今回初の試みとなる“無観客でのオンライン大会”に挑むには,想定される不具合やリスクの洗い出しとこれまでの経験を活かし成功に導くためにも重要課題を明確にする必要がありました。2.2ありたい姿の明確化そこで推進事務局として,大会への想いやありたい姿を描いて,大会が成功するための成功シナリオを明確にしたうえで最適策を講じ,その実現に向けて挑戦することにしました。①発表者には,パワーポイントで通常通り発表していただき,発表に集中してもらう。②重要リスクをできるだけ回避し,オンライン視聴の不具合を発生させない。さらには,オンライン大会の利点を活かした大会にするため③従来は,分散会場(6会場)で同時発表のため視聴することができなかった事例発表を録画することで,後日見たい発表を自由に視聴できるようにする。④業務の都合などで,発表会場に行けない場合でも,全社員がいつでも,どこでも簡単にそして,自由に視聴することができるようにする。2.3対策の実施無観客を前提としているため,当日の発表会場には,発表関係者,審査員,そして役員の10名程度だけが出席し進行します。少人数で発表会場の雰囲気を聴講者に伝え,オンラインでつながった多くの聴講者に向けて今まで以上に発表者および関係者の達成感につながる発表ができるよう,課題を一つずつ達成するため以下のとおり知恵と工夫を駆使しました。■オンライン大会の主な工夫点として,①わかりやすい発表内容がいつでも自由に視聴できる。発表内容は,発表資料とテロップ,会場の発表者の表情や講評者のためのビデオカメラ画10QCサークルNo.711


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