QCサークル 2020年10月号(No.711)


>> P.7

特集「コロナ後の社会」に対応するサークル活動と情報機器活用図・1Web画面を自由に視聴する社員図・2Web配信で共有の大会映像や資料(画面)面を合成し,30分遅れで社内動画サーバーに公開し,社員であれば,誰もがいつでも会場別チャンネルにアクセスし,自由に視聴することが可能(図・1参照)。②配信機材が不安定になることで配信を止めないようにするため,配信パソコンや画面合成のパソコンを分割し,リスクを回避。③社員が必要とする大会関連資料(スケジュール,テーマ一覧表など)や要旨集は,自由にダウンロードできるようにイントラネットに特設ページを開設し公開。聴講者は発表資料を手元に発表を聞くことができ,よりわかりやすい発表大会を実現(図・2参照)。④感動を共有するため表彰式はライブ放映する。表彰式の配信動画に受賞者の名前などテロップを入れて,音声がなくてもわかりやすく感動の伝わる表彰ライブを配信。また,イントラネット上に動画視聴チャンネルをあえて全社内からも見えるようにし,大阪工場のQCサークル大会活性化をアピール。2.4効果の確認と残された課題【よかったこと】①大量の資料や登録事項のデータなどを電子化,一元化することで,関係者への連絡・調整・修正などを含めた準備の工数が激減。活動のOJTや他サークルとの相互研鑽,また,社員にとっては実践事例の教材として,人材育成にも役立つ。②大会会場の手配や大がかりな飾りつけなどの会場設営・準備にかかる工数削減。それに準じ,通常6会場700名参加の会場も10名程度の少人数の関係者だけで運営を可能にした。③大会記録を保存するための負担もアーカイブの電子化で鮮明な映像を含め保存と情報共有に大きく貢献し,工場内の財産の蓄積と伝承を実現。④大会参加のための時間調整や移動を含め聴講者の負担軽減にもつながる。⑤通常,土曜開催の自己啓発で700名ほどの聴講参加が,特設ページの閲覧回数7,200回以上,全動画再生回数も2,500回を超え,自由に視聴できることでQCサークル活動の活性化に貢献。など【今後に向けての改善点】現行では,視聴は可能ですが,その場での質疑応答ができないため,今回は質問なしの対応となりました。次回は,ライブ映像の配信を可能にし,ライブでの質疑応答ができるように工夫を凝らすなど,質疑応答方法の検討が必要。3.まとめ「手探りの大会であったが,視聴者の自由度を高めることにより,予想以上に視聴者の大幅増加につながり驚きました」と事務局の石田さんから届いた喜びの声。現段階では不可能なことも,コロナを機に世の中が大きく変わりつつあり,QCサークル活動のあり方も大きく変化しようとしています。今後も変化をチャンスに活かしながら進歩し続ける情報機器を駆使し,よりよいQCサークル活動を目指して挑戦し続けることを期待します。(情報提供:石田義仁/構成:高木美作恵)2020年10月号11


<< | < | > | >>