QCサークル 2019年12月号(No.701)


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事例1キーワードをヒントにしてやりがいのあるテーマを選定㈱ホテルニューアカオQCサークル推進事務局植松司さん植松さん当社は,温泉観光都市の熱海で,2つのオフィシャルホテルと,リゾート施設を経営しています。「自然と人とがコミュニケーションできる自然・環境・文化とホスピタリティの空間づくり」を目指し,全社員280名が32のサークルを編成して活動しています。私は,QCサークル推進事務局を担当しています。背景レストランの業務を担当しているサークルのリーダーから,「興味を持ってやりがいを感じるテーマや,活動の成果が見える形で残るようなテーマに取り組みたいのですが」という相談を受けました。たしかに,活動テーマは職場や仕事の困りごとを解決するだけではなく,メンバーのモチベーションを高めて,楽しさや面白さを味わえるものであることも大事です。これらが実感できるテーマをどのようにして選定したらよいのかを,わかりやすくアドバイスする方法を考えました。ポイントは,興味が湧くことと成果の見える化です。活動の仕方の工夫そこで,活動テーマのキーワードを「お客様の思い出,新しいサービス,熱海と当社のイメージ」に絞り,自由な発想で多くの意見を求めてみるようにアドバイスしました。その結果,「私たちの活動で生まれたものが,お客様にどのように評価されるのかをドキドキ&ワクワク予想しながら活動を楽しみたい」という意見から,「活動成果が商品につながるようなテーマ」を選定することになりました。こうして活動が動き出しましたが,単なる対策ありきにならないように,必要性や経緯を明確にして,QCストーリーに沿ってプロセス重視で進めるように指導しました。成果このような活動で生まれたいくつかの成果物が商品化されています。特に「地産地消“熱海レモン”を商品化しよう」のテーマでは,自社のガーデンで栽培したレモンが,「レモンパフェ」としてレストランのメニューになりました。活動の工夫として,レモン伝来の地が熱海であるという地域性と話題性が活かされています。お客様からも,「インスタ映えする」との好評を得て,売上げにも貢献しています。これ以外にも「レモンシロップのレモネード」などの成果物も,お客様に喜ばれています。楽しさ・面白さのあるテーマに取り組むことで,サークルのモチベーションアップにつながっています。レモンパフェ学びどころテーマ選定は,メンバーのモチベーションにつながる重要なステップです。必ず,上司や指導スタッフがアドバイスするようにしましょう。この事例では,やりがいを求めたテーマを,キーワードを絞り込んで選定するという的確なアドバイスがなされています。テーマ選定への支援の仕方が参考となる事例です。(構成鈴木則子)10QCサークルNo.701


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