QCサークル 2018年7月号(No.684)


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ものづくりやサービスの現場で,日々問題の解決を行っているみなさんは,どのようにして,真因を突き止め,対策を打っているのでしょうか。それは,その業態や環境によって違うのでしょうか。いや,そうではなく,その基本的な考え方やアプローチの仕方は同じです。ここでは,真因を究明するための基本となる考え方とその手段について考えたいと思います。まず,三現主義プラス原理・原則(これを五ゲン主義といいます)がすべてのプロセスにおいて基本であることを意識してください。そのうえで,真因究明のために行うべきことを考えます。まずは,1)現場で事実を押さえることです。そして,2)その事実をいろいろな角度から見て,要因を探します(要因解析と仮説設定)。その要因が見えてきたら,3)その因果関係を明確にします(仮説の検証)。因果関係の強いものが真因と考えられます。以下,このステップについて解説します。1)現場で事実を押さえる(現状の把握)①どういうことが,いつ,どこで,どのように発生しているのか②発生のパターンは,慣性的か,突発的か,段階的に変化しているか,周期的な変化をしているか三現主義や五ゲン主義を実践して,まず現場で事実を押さえることが大切です。また,事実は極力データで示す癖をつけましょう。データには,図・1に示すように数値データや言語データがありますが,ここでは,数値データを考えます。現状を把握・整理するためにとる行動とその道具を表・1に示します。表・1現状を把握とその道具現状把握のためにとる行動道具(例)・データをとるチェックシート・問題の位置づけ整理するパレート図・時間的な変化を見るグラフ・変化点を見るグラフ(変化点,変更点前後の変化)・ばらつきを視覚化するヒストグラム,散布図,グラフ・異常を管理し発見する管理図2)要因を探す(要因解析と仮説設定)まず,要因を特性要因図や連関図を使って整理し,要因の絞り込みを行います。さらに,その要因について,なぜ起こるのか,発生のメカニズムを考えます(仮説を立てる)※。※現状で得たデータだけでは不足の場合は,必要に応じて,もう少し詳細データ等の追加データをとる場合もあります。また,因果関係をロジカルに整理するためには「なぜなぜ分析」などがよく使われます(図・2参照)。以下に,簡単に「なぜなぜ分析」の考え方を示しますので,ぜひ習得し使えるようになってください。なぜなぜ分析は,筋の通らない説明や考え方を徹底的に排除し,論理的かつ的確な説明や検討をするためのツールで,たとえば,「個人的な話には“なぜ”で踏み込まない」,「逆に読みデータの種類数値データ言語データ計量値データ長さ,重さ,時間,…計数値データ不適合品数,…図・1データの分類解説10QCサークルNO.684


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