QCサークル 2018年5月号(No.682)


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からくり道場訪問記今回の特集にあたり,豊田合成㈱の「からくり道場」を訪問し,道場主として活躍されている福崎伸吉さんにからくり改善のノウハウなど貴重なお話を伺いました。豊田合成㈱は,自動車用のゴムや樹脂部品のメーカーで,生産工程のムリ・ムダ・ムラをなくすため,経済性・信頼性・保全性の高い「からくり」を積極的に導入しています。からくり改善を学ぶ場,そして横展開情報の発信基地として,2013年9月に「からくり道場」を設立しました。●まずは,からくり改善の考え方についてお伺いします。安い材料と自然エネルギーによる「お金を使わず知恵を使った改善」ととらえて,工程づくりに有効な手段と考えています。からくり改善には,原理・原則を知ることに加え,技能・知識・工夫・発想が必要ですね。~これが基本!~●それらを,この「からくり道場」で学べるのですね!そうです。この道場は「見て触れて学ぶ・体得する・すべてがわかる」がコンセプトです。現在は,物流・作業・動作・部品供給・ポカヨケなど約50件を展示しています。パネルやDVDでの説明と実際の動きで,機構・構造・動作・発想の元などを学びます。~やはり3現主義!~●道場では,どのような方を育成されているのですか?設計段階の投資抑制から既存工程の改善までを対象にしているので,生産技術者と現場の管理監督者,そして改善実務担当者です。グローバル展開しているので海外拠点からの参加者もありますね。~プロ育成だ!~●からくり改善で,どのくらいの効果が出ていますか?これまでに,203作品を考案し,合計7,835点を社内・国内仕入先・海外拠点へ横展開しています。投資抑制効果も約9億円と試算しています。~効果がでかい!~●現場のアイデアで成果を上げた事例はありませんか?たとえば,この「ネットプロテクタ助剤レス挿入治具」は現場からのアイデアによるものです(作品・1参照)。ゴムパイプに樹脂ネットを被せる工程で,入れやすいように樹脂を液に浸けていましたが,結束バンドを使うことで,楽に被せるようにした事例です。この発想の元は,樹脂ネットを袋から出す時,ネット同士はすごく滑りやすいことに気づいた女性作業員です。ネットをバラバラに解いてスカート状熱き思いで語る福崎さん道場1階の展示作品道場2階の展示作品道場玄関の看板10QCサークルNO.682


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