QCサークル 2018年2月号(No.679)


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32QCサークルNO.679JFEスチール㈱知多製造所●所在地:愛知県半田市川崎町1-1●構成人員:男性15名●メンバー年齢:平均35歳●結成:1982年●テーマ歴:3年●本テーマの会合回数:月2回●1回の会合時間:1.5時間(時間内)極薄肉スーパー9CR後端破れ「ゼロ」への挑戦!!~オンリー1は俺たちのオンリー1で造る~自分たちの手で改善しようという意欲をもとに技術課題を克服した事例体験事例1し込み,さらに鉄砲玉のようなプラグを押しつけて穴をあけています。スーパー9CR*1は,火力発電所の心臓部である熱交換器で使用されています。このパイプは薄肉ほど熱交換率が大きいため,極薄肉パイプが求められています。*1:9%クロム含有鋼の意味スーパー9CRは加工性が炭素鋼の約半分と非常に悪く,さらにシームレス圧延の限界に近い加工性であることから難易度が非常に高く,特に極薄肉スーパー9CR造管時には後端破れという最悪なトラブルが発生します。後端破れとはピアサー圧延の最後端部で材料が破れることで,これが起こると搬送不良でミスロール(スクラップ処理)となりラインが停止します。このトラブルは炭素鋼では発生がなく,炭素鋼平均ミスロール率の約20倍も発生しています。このため,ライン稼働率も炭素鋼に比べ大幅(12%)に低下し私たちは,継ぎ目のない鋼管であるシームレスパイプを製造しています。シームレスパイプは,図・1に示すように製鉄所より送られてくる丸ビレットを熱間圧延して製造します。この中で,私たちは,ピアサーを担当しています(図・1参照)。みなさんは,まな板の上にきゅうりを置き,手で押しながら転がすと中心が柔らかくなる現象をご存知ですか。これが,ピアサーがシームレスの母管を造る原理です。ピアサーは左右のロールと上下のD/Sという円盤型ロールで材料を拘束し,そこに丸ビレットを押こんな事例です鉄鋼業の熱間圧延工程,しかもパイプ圧延というなじみの少ない分野の活動です。加工性の悪さから起こる生産トラブルをなくし,操業を安定化させるという本来,技術スタッフが行う領域と思われる技術的課題を見事に自分たちで解決しています。●第5900回QCサークル大会(本部主催札幌)からの推薦オコゼサークル1.会社・職場紹介2.現状把握図・1製造工程ピアサー穴をあける引っ張り,伸ばすビレットを1,200℃に加熱最終寸法に仕上げるマンドレルミル回転炉レデューサー


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