QCサークル 2022年1月号(No.726)


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しにかかる時間は,パターン抜き作業の72%を占め,10枚製作した場合の手直し回数は平均で3.9回でした(図・4参照)。作業時間の内訳(マスク製作枚あたり)乾燥時間など人の作業が伴わない設備も稼働時間は含まない工程別感光材塗布メッシュ張り製版作業内訳→ネガ貼りパターン抜き作業内訳→(製版パターン抜き露光パターン抜き機ウォーターガン%)合計分%手直し(分)(枚)車載Aの10枚当たりの手直し回数手直し回数は1枚あたり平均回手直し回数(回)廃棄5回の手直しでもOKにならず図・4手直し作業時間と回数マスク数(%)累積比率%調査期間:ʻ合計時間:〜枚(枚)製作枚数他品種の約倍他品種はほぼ同じ現状把握マスク製作における品種別調査で1枚当たりの製作時間を調査したところ,印刷が細かい車載Aが他品種より2倍以上の時間がかかっています。ひと月当たりのマスク製作数は車載Aが全体の半数以上を占め,そのうちの18%は不良で廃棄するマスクであることがわかり,車載Aのマスク製作に絞って取り組むこととしました(図・2参照)。1体験事例現状把握のまとめから,「車載Aのパターン抜き作業で手直しが多い」を問題点としました(図・5参照)。調べたことわかったこと品種別マスクの製作時間・車載ひと月当たりのマスク製作枚数は他品種の倍以上,時間がかっている・車載Aが全体の・車載Aのマスク不良率(=廃棄率)は→廃棄する枚数分の作り直しが必要と半数以上を占める%のマスク製作の車載工程別作業時間製版工程における作業内訳と時間車載手直し作業の時間と回数「製版」工程はマスク製作の・一番時間がかかっている・『パターン抜き』が製版工程の一番時間がかかっている%を占め,%を占め,・車載・車載の手直し作業はパターン抜き作業のを占めているの手直し回数は1枚あたり平均回の不良(廃棄)内容・不良(廃棄)のは異物付着である以上のことから,問題点を車載Aのパターン抜き作業で手直しが多い図・5現状把握のまとめとしました*学びどころ*現状把握では,三現主義の実践で徹底して工程分析され,手直しをしても救済できなかった不良の内訳や内容を確認し問題点を明確にしている点は改善意欲の高さを感じます。目標の設定と活動計画目標は,「車載Aにおけるパターン抜き作業の手直し時間」を2019年2月28日までに現状の50%減で6.3分にするとしました。活動計画は,ステップリーダー制をとるとともにQCサークル富山地区QCサークル大会に出場経験のあるメンバーが指導係となって全員の力量アップをねらうこととしました。2022年1月号33車載品種名その他車載A車載その他品種名マスク1枚当たりの製作時間ひと月当たりのマスク製作数図・2マスク製作における品種別調査製版工程を作業別に見ると「パターン抜き作業」が製版作業の80%を占めていました。パターン抜きとは,露光後のマスクに水を噴射して感光材を除去し,インクが通過できる状態にすることです。ネガを置いた部分の感光材は噴射された水によって流れ,メッシュ部分が露出してマスクが完成しますが,マスクがパターン通りに抜けていないと,その部分をインクが通過しないので手直し対象となります(図・3参照)。感光材塗布メッシュに感光液を塗布し,感光フィルムを貼ります。感光材を塗布したメッシュにネガを置きます。露光(ろこう)光(紫外線)を当て,感光材を硬化させます。+!ネガを置いた部分は光が通らないので硬化しませんパターン抜きパターン通りに抜けたマスクネガを除去します。露光で光が当たらず,硬化しなかった感光材を,水を噴射して洗い流します。ネガを置いた部分の感光材が流れ,パターンをかたどったメッシュが現れます。印刷印刷製品にインクがついていない個所が出る次工程へ手直しへ図・3パターン抜き作業の流れ実際のパターン抜き作業では,最初に自動で水を噴射し,さらにウォーターガンで噴射後に抜け具合を確認します。そこで抜けていない場合は手直し作業に移り,5回までの手直しで合否判定します。破棄した枚数分は追加製作が必要となり,車載Aの場合の手直(分)時間車載


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