QCサークル 2021年5月号(No.718)


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困りごと1.活動の記録がうまく残せない職場の問題・課題を解決するプロセス(手順)として,QCストーリーに沿って取り組むとよいことはみなさんもよく知っていると思います。もともとQCストーリーは,活動を終えて報告書をまとめる際の手順を,いくつかのステップに整理することから生まれたものですが,こうすることで改善のポイントを明確に示すことができるとともに,上司や関係者,あるいは第三者(他サークルなど)が論理的に内容を理解することが可能となります。この場合,問題や課題に大きなPDCAを回して解決することに目がいきがちですが,QCストーリーの各ステップでも,小さなPDCAのサイクルを回すことを忘れてはなりません。たとえばテーマの選定では,職場が対面する問題の背景や経緯,問題の悪影響の度合い,改善対象としての評価・絞り込み,そしてテーマ名を表現し,改善のねらい(テーマ選定理由)を再確認することが大切です。以上のことを理解したうえで,今回の主題である「情報技術を使った活動報告書・発表資料の作成」に話を戻しましょう。QCサークル活動を進める際に,パソコン(PC)に代表される情報技術を活用するもっとも大きな利点は,会合の記録を残したり,とったデータを保管したり,それらの情報を再利用したりすることが容易なことです。前述したイラストにもあるように,活動がすべて終わってから報告資料を作成するという考え方から抜け出して,各ステップで小さなPDCAのサイクルを回しながら随時記録を残し,これらを活用して最終の報告資料を作るという考え方に変えることが大切です。評価○○○項目(時間)洗濯時間順位合計点で達成に未達洗濯枚数期間:2011年〜2013年期間:2011年〜2013年(枚数)問題課題④改革レベルが必要21120122013③改善レベル20120122013②要求レベル○◎○△○◎○△◎◎◎△①異常の発生○課題達成型効果△◎○◎方針◎◎◎◎経済性○○○△実現性緊急性重要性進め方の選択25002000150010005000上司評価○◎○△問題解決型施策実行型か(効果))◎5点○3点△1点※評価1位の項目をテーマとする(2)テーマ選定マトリックス④改善に費やす費用や時間はどのくらいか(経済性)※推進者が記入しサークルへ渡す※方針を受けて,問題や課題を書き出す・問題点は具体的に表現する・重点指向で絞り込む①問題点が職場に影響してい性)る度合い(重要②改善を急がなければならない問題点か(緊急性)③改善した時の効果は大きい(3)テーマ選定の背景①年度別洗濯時間推移ステップ1:テーマ選定(1)方針年度方針より,サークルに取り組んでほしい内容をピックアップし推進者が記入する食堂のテーブル拭き時間がかかる洗濯時間が増えている渡り廊下清掃に時間がかかる清掃業務の自動化【部門方針】①全部署の改善活動を推進するとともに,生産部管轄の改善とムダ取りを推進する。②建物設備,ユーティリティーの保全管理,IT環境整備を推進し,良好な生産環境を維持する。【課実施項目】①-1自部署に限らず部門全体の業務,購買品について客観的な視点からムダ取りの提案を行う。①-2取り巻く環境変化を確実に把握し,あらゆる業務・経費の見直しを強化し1円でも経費削減につなげる。②老朽化した建物設備とユーティリティーの安定稼動に向けた保全計画に基づいた点検を実施し,突発事故発生による生産への影響を起さない。◆活動ステップごとに結果を記録に残す一つの例として,Excelを用いてQCストーリーの各ステップを,積み重ねていくようにして活動記録を残す方法を紹介します(図・1参照)。Excelの各シートを「テーマ選定」や「現状把握」などのステップに対応して作り,それぞれのステップで必要となる情報源や帳票・様式などを事前に準備しておくことで,取り組んだ足跡を効率的に残すことができます。もちろん取得したデータをその場でグラフにして,ビジュアル的に分析することも,そのまま報告書に使うことも可能です。また,ステップごとの活動推進ガイド(重要ポイント)をあらかじめ付記しておくことで,そのステップでの目的,収集したデータ,わかったこと・結論を明確にすることができ,質の高い活動となるという効果も得られます。活動を終えて活動報告書や発表資料を作成する際には,これまでに記録されたデータや図・表,各ステップの結論を報告書や発表資料に集約すればよく,作成者の個人負担も軽減されます。もちろん一人舞台ではなく,サークルメンバーからの意見を取り入れ,上司・推進者からのアドバイスを受けてよりよい報告書にすることも大切です。これらについては,後述する内容を参考にしてください。集約の際に,PCの画面上の一部(または全部)の文字や図・表を画像として切り取り,ほかのアプリケーションに貼りつけたい場合もあると思います。このような場合には,【まとめ】・方針の取り巻く環境変化を確実に把握し,あらゆる業務・経費の見直しを強化し1円でも経費削減につなげるを受け,テーマ選定マトリックスより評価を行った結果,洗濯時間,洗濯枚数ともに年々増加傾向にあるが1位となった。・洗濯時間,枚数ともに年々増加傾向にある。図・1各ステップの記録例・上司方針や職場の課題,前回の活動の反省とのリンクを明確にする・改善のねらいを明確・選定理由をまとめる・テーマ選定の過程を②年度別洗濯枚数明確にする80000700006000050000400003000020000100000にする28QCサークルNo.718


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