QCサークル 2021年4月号(No.717)


>> P.10

困りごと1.現場で現物を観察することができないタブレット端末やスマートフォンなどを活用すると,誰にでも簡単にビデオを作成できる時代になりました。ビデオのよいところは,一人が撮影したものを,多くの人が,別々の場所で,何度でも繰り返し見ることができることです。これを活用すれば,現場に出向かなくても現場で現物を現実的に見ることができます。ただし,撮影の仕方を工夫しないと,木を見て森を見ずになったり,その逆が起こったりします。また,ビデオの便利なところは,時間を計ったり,拡大や縮小したり,低速や高速にしたりして見ることができることです。これによって,現場で見ていた時には気がつかなかったような事実に気づくこともできます。◆ビデオを作成する一昔前はビデオ(動画)を作成するというとビデオカメラを用意して撮影する必要がありました。テープに録画されるために,同じ形式のテープを再生できる機器がないと視聴できず,いろいろな人の間で情報をやりとりするのが大変でした。最近でもビデオカメラを用いて撮影することも少なくありませんが,撮影したものがSDカードやmicroSDカードなどのメモリカードに保存されるため,カメラからこれらのカードを取り出してPCのカードスロットに挿入すれば簡単にほかの人が閲覧できる動画ファイルを得ることができます。自分が使用しているPCに当該のカードに対応したスロットがない場合もありますが,PCのUSBポートに接続するカードリーダー/ライター(約1,000円)を使えばあらゆる種類のカードを扱うことができます。デジカメ(デジタルカメラ)についても,最近の機種では動画を撮影する機能がついていますので,ビデオカメラと同じように使用することができます。タブレット端末やスマートフォンを使用してビデオを作成する場合には,カメラ機能を起動しビデオモードに切り替え撮影します。内蔵ハードディスク上の,システムによって定められた場所にファイルが作成されますので,これをメールで送ったり(ファイルサイズが小さい場合),USBメモリやメモリカードなどの外部記憶媒体に保存して送ったりすればよいことになります。ただし,タブレット端末/スマートフォンには一般にUSBポートやカードスロットがありませんので,タブレット端末/スマートフォンとPCのUSBポートを接続するケーブル(約1,000円)を使います。PC側からタブレット端末/スマートフォンの内蔵ハードディスクを閲覧し,必要なファイルをPCにコピーします(セキュリティロックがかかっている場合には,あらかじめタブレット端末/スマートフォン側でファイルのコピーを許可する必要があります)。ビデオ(動画)のファイルをほかの人との間でやりとりする場合に問題になるのがファイル形式です。表・1によく使われているファイル形式の一覧を示します。動画ファイルは,文章表・1動画ファイルでよく使われているファイル形式説明もっとも多く利用されている形式。圧縮率が高くインターネットでの利用に適している。Windowsの標準動画ファイル形式。様々なエンコード/コーデックが存在する。Macの標準動画ファイル形式。QuickTimePlayerをインストールすればWindowsでも再生できる。マイクロソフト社が開発した形式。動画配信サービスで多く利用されている。形式MPEG-4AVIMOVWMV拡張子.mp4.avi.mov.wmv26QCサークルNo.717


<< | < | > | >>