QCサークル 2021年4月号(No.717)


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運営・推進のページ2021年共通テーマニューノーマル時代のQCサークル活動(その4)運営・推進のページ(上期)小委員会委員長/中條武志委員/澤達夫,野上真裕,松本国一,山内高情報技術を使った問題解決・課題達成の方法◉こんな困りごとはありませんか?今までの特性要因図作成の様子リーダー○○の加工時間が長い●●の特性要因図を作成しましょう○○はいつも加工機に乗せた時グラグラするんだよなぁそれ、治具のどこかに干渉してないですか現場に確かめに行こう新型コロナ感染拡大防止の中,主要因の抽出はどうすれば!?今日は、要因の絞り込みをやりたいと思います○○はいつも、加工機にのせた時グラグラするんだよなぁメンバーAリーダーメンバーA現場で確かめられればいいんだけれど…グラグラするってどんな状況なんだろうよくわからない…メンバーBメンバーCメンバーBメンバーC◉感染拡大防止策のために現状の把握,要因の解析,対策の検討ができないQCサークル活動が成功するためには,テーマ(問題・課題),サークルやチーム(リーダーやメンバー)に加えて,科学的アプローチが大切になります。全員が問題解決型や課題達成型などのQCストーリーを理解したうえで,QC七つ道具や統計的手法などの手法を活用することが必要です。科学的アプローチの基本は,三現主義,すなわち,現場で現物を現実に見ることです。また,このような観察の結果に基づいて仮説を論理的に考えること,データに基づいて仮説を検証したうえで,対策案を広い視点で考えることが必要になります。ここではいろいろな考え方やアイデアを図や表などを活用してまとめることが大切です。ところが,新型コロナウイルス感染拡大防止のために,前後の工程や客先・供給元に出向いたり,県や国をまたいでほかの職場に出かけて行ったりすることが制限され,現場で現物を観察したり,データをとったりすることが難しくなっています。また,技術部門の専門家,メーカーの人などに職場に来て現物を見てもらい,検討をお願いすることも難しくなっています。さらに,仮説を考えるうえでは,特性要因図や連関図を見ながらみんなで要因をあげたり,ポストイットなどの付箋紙に書き出した要因を並び替えたりすることが有効ですし,対策を考えるうえでは,系統図を見ながらみんなでアイデアを出し合ったり,対策選定マトリックスを見ながらアイデアの評価・絞り込みをしたりするのが有効なのですが,このようなことが従来の形ではできなくなっています。そこで今回は,情報技術を使った現状の把握,要因の解析,対策の検討のやり方を,3つの困りごと困りごと1.現場で現物を観察することができない困りごと2.見たいところがすぐに見られない困りごと3.特性要因図や連関図を見ながらみんなでわいわい議論できないをケースとして取り上げて紹介します。少しでもみなさんが情報技術を使って問題解決・課題達成を行う際のヒントになれば幸いです。2021年4月号25


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