QCサークル 2021年3月号(No.716)


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特集他流試合̶初めての社外発表̶3月は年度末を迎え,何かと慌ただしく,4月は新入社員を迎える職場も多く,本年度のまとめとともに新年度に備え,気持ちも新たに様々な準備をしていることでしょう。今回の特集は,「他流試合—初めての社外発表—」です。この題名を読んで,みなさんも社内や社外での初めての発表などを思い返すと,「とても緊張した!」人もいれば,「自分たちの成果を多くの人に知ってもらいたい」との意気込みで力強く発表した人も多いでしょう。また,「これから初めての発表でいろいろな準備をしないといけない」と思った矢先,「よいタイトルの特集だな」と思い,「これからじっくり読もう」と思われる方も多いと思います。誰にとっても,初めての社外発表の記憶は鮮明に覚えていたり,その際の質問内容までも覚えていたりする方も多いと思います。その当時を振り返り,「勉強になった」とか,「もう少しこうすればよかった」など,色あせない思い出も多いと思います。一昨年,QCサークル全国大会に出向いた際,会場の外で発表直前に最後の練習をしているサークルがあり,さらに自信をつけるべく力強く練習している風景を見て,一生懸命にものごとに取り組む姿勢の重要性を認識しました。今回の特集では,このような思いを踏まえ,以下の3つの点を中心に事例紹介※とともに,思い・考えなどの知見を述べていきます。•発表会までの心配や苦労などを紹介し,そのプロセスの共有化とともに,果敢に取り組むことの重要性の認識を持つこと•事例を通じて,苦労した点や発表指導を受けた内容から,読者の問題解決や課題達成の視点を広げること•発表前と後での,自分自身がレベルアップしていった過程から得られた経験や重要性このように3点を述べましたが,みなさんは,初めての社外での発表や他流試合はなぜ必要なのでしょうか。必要性を考えると,次の4点が浮かびました。•自分たちの気づかない視点を教えてもらう,気づき発見の場であること•自分たちよりも経験をしてきた人の知見や,これからの探索すべきポイントや勘所を教えてもらうこと•自分たちの問題解決・課題達成のステップのあり方や進め方について,頑健性や脆弱性の指摘をしてもらい,今後に活かすこと•知識や知恵の集約を行い,思考の深化をすること今回の特集を通じて,単に「発表する」というよりも,発表を通じて,新たな知見を手に入れて,自分たちの知識をさらに深くするために,「課題発見・解決力」,「創造性(力)」の醸成・育成の一つとして,発表を活かしていただければと思います。「課題発見・解決力」,「創造性(力)」はQCサークルに大変重要な力です。今回の特集の事例を通じて,企業内,支部・地区内での更なる問題解決力向上に役立てていただければ幸いです。(西敏明)※各事例について,事例1〜5はインタビューあり,事例6はインタビューなしです。中国・四国編集小委員会3月号特集メンバー委員長/西敏明委員/石山康弘,大路邦彦,岡昭典,岡久康平,亀山薪太郎,小林孝行,津川智一,堤博幸,福永健司2021年3月号9


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