QCサークル 2021年2月号(No.715)


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①この工程では不具合が慢性的に発生しているのか,突発的に発生しているのかを調べるため,過去1年間の月ごとの不適合集計より不適合率の推移をみたい。(1)②①の結果より月ごとの大きな変動はないことがわかった。ではこの工程の製品で,どの不適合項目がどのくらい発生しているのかを記録したい。(2)③②の結果よりどのような不適合項目が多いのか,どの不適合項目から優先的に処置をとるべきか,また全体の不適合を60%減らしたい場合に取り組むべき不適合項目はどれか,さらには対策実施前後を比較しやすくしたい。(3)④製品の品質特性に関するデータ(計量値)の分布の形状,規格値との関係,不適合の発生状況を視覚的に把握したい。(4)(5)⑤製品の品質特性に影響を与える要因について,4Mの分類で因果関係を整理したい。⑥製品の品質特性と製造条件の対の計量値データから,それらの関連性を視覚化したい。⑦対策実施後,その工程が統計的に管理状態で維持されているかを管理したい。(6)(7)(1)【~(7)の選択肢】ア.層別イ.ヒストグラムウ.管理図エ.チェックシートオ.パレート図カ.特性要因図キ.散布図ク.折れ線グラフケ.円グラフ【解答】(1)ク(2)ケ(3)オ(4)イ(5)カ(6)キ(7)ウ【解説】どのような場面でどのようなQC七つ道具を使うのかという問題です。①は不具合の発生が慢性的か突発的かを時系列的に見るには,横軸を時間とした「ク.折れ線グラフ」か,それを発展させた「ウ.管理図」かと迷います。しかし管理図は管理された工程で使用しますので慢性不良が発生している工程で使っていいのか?ともなります。とりあえずどちらを選択するかはちょっと後の問題を見てみましょう。⑦を見てみると,管理状態を把握するには管理限界線の引かれた管理図がもっとも適した手法になります。この問題では「各選択肢を複数回用いることはない」という前提があります。⑦が「ウ.管理図」であるならば,①は「ク.折れ線グラフ」になります。②の問も同様で,「ケ.円グラフ」でも「オ.パレート図」でも役割は果たせますが,③をよく読んでみると「……さらには対策実施前後を比較しやすい……」となると,③は「オ.パレート図」になりますから,②は「ケ.円グラフ」が正解です。④はデータ(計量値)の分布の形状を聞いていますので「イ.ヒストグラム」となります。不適合の発生は規格値より外れた部分ということになります。⑤は因果関係(原因と結果の関係)を整理する手法ですから「カ.特性要因図」です。⑥は「品質特性と製造条件の対の計量値データ」ということで「キ.散布図」が正解です。58QCサークルNo.715


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