QCサークル 2020年5月号(No.706)


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品質保証体系図は,一般的には横軸に品質保証に関係する各部門名,縦軸に品質活動を進めるためのプロセスを配したもので,組織全体の主たる活動プロセスと,関連する部門を把握するために用いられます。必要に応じて会議体,関連帳票類,標準書なども記載されます。品質保証活動は,この品質保証体系図に即して実施することが重要となります。顧客のニーズに合った製品やサービスをどのような手順で具体化するのですか。②質問解説②伝統を守り,作り方を守り,ブランドを守り活動をしているお店や企業も数多くありますが,一般的な企業では,顧客や社会のニーズの変化に応じた製品やサービスの新規開発を行っています。新製品・新サービス開発では,市場調査や従来の製品に対するクレームなどから顧客ニーズを整理して開発を行います。これらの整理された顧客ニーズのうち品質に関する要求を要求品質といいます。要求品質は「おいしいパン」,「日持ちするパン」,「食べて安心なパン」など抽象的な表現であることが多く,製品化のためには具体化する必要があります。要求品質はそれを構成している様々な性質により,品質要素に分けられます。品質要素は一般的に,「機能」,「性能」,「操作性」,「安全性」,「信頼性」などです。パンについていえば,製品が果たす機能として主食用のパンなのか,間食用のパンなのかなどが考えられます。さらに品質要素は製品の性質の違いを示す品質特性に変換されます。品質特性は評価できる尺度を持っており,たとえば「パンの硬さ」や「パンの甘さ」などがそれにあたります。顧客ニーズに合った製品を生産するためには,要求品質を品質要素,品質特性に展開・変換し,特定された品質特性の値を定め,具体的に設計仕様に盛り込む必要があります。このように要求品質を様々な形に変換および展開していく方法の一つに品質機能展開があります(図・2参照)。図・2品質機能展開の概念図新製品開発でのデザインレビューについて教えてください。③質問52QCサークルNo.706


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