QCサークル 2019年11月号(No.700)


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特集「QCサークル情報発信ひと工夫」そのポイントは何?はば品質管理に正面から取り組み,品質保証を実現するためには,部門間連携が欠かせません。一方,組織の規模が大きくなるにつれて,「部門の壁」がその部門間連携を阻きます。後工程はお客様ということは,アタマではわかっていても,後工程で何が起きているのか,自分たちのアウトプットが,後工程にどのように受け止められているのかを把握していなかったり,把握するのが遅かったりという現象が起こっています。「部門の壁を壊す」という言葉が存在するのは,そもそも工程(プロセス)間に,意思疎通をジャマする何かが存在していることの証拠なのです。これを克服するためには,連携相手の行動を待っていては間に合いません。自職場から情報発信し,前後工程や関係者の声を聴くのが,現実的な対応だといえます。む障害となって今回の特集は「QCサークル情報発信ひと工夫」そのポイントは何?というタイトルで編集しました。「QCサークル:勉強する小集団改善活動」の目的は,その主たる構成メンバーの力量アップですが,これを通して職場の活性化と,組織の価値提供への貢献を合わせて意図しています。ところが,サークルメンバーが力量アップすることは,いうほど簡単ではないのが現実です。自分たちのできることを見極めて,現時点ではできないこと・知らないことを克服するための工夫・知恵を求めて「勉強する」を続けることが必要です。そのためには,「現状はどうなっているの」,「過去にはどこまで調べていたのか」,「ほかの工場での実状を教えてほしい」,「これはどう調べたらいいのか」といった情報を求めることになります。つまり「情報発信」とは情報を得るという目的があって,誰に対して発信するのか,を明確にすることがポイントなのです。さらに,一方的に発信するだけなく,発信する立場と,これに応える立場の双方向のキャッチボールが成立していることが前提です。今回の特集ではいくつかの「情報発信」の実例を関係者に執筆していただきました。特に,現在の活動状況とその成果を共有することは,組織の知識として貴重な財産です。ICTの活用や,QCサークルのポータルサイトを立ち上げて活用するという方法もありますが,やはり人と人が直接アクセスし合い,成立する「情報発信」と「キャッチボール」が盛んであるという点も印象的です。(松田啓寿)関東編集小委員会11月号特集メンバー委員長/松田啓寿委員/木内正光,佐藤文哉,堀込文也2019年11月号9


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