QCサークル 2019年7月号(No.696)


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1.イメージをデータにしたい!!こんなことで困っていませんか「車のボディの曲面が図面通りできているか知りたい」,「図面を紛失したので,現品を測り再生したい」,「レイアウトを行うので,棚の大きさを知りたい」など,製品やものの形状データがほしいというニーズはいろいろな場面で生じています。このようなニーズに対し,従来はものさし,Rゲージ,接触式三次元計測器などを使って部分的に寸法を測定し,全体形状を求めていました。しかし,これらの測定方法の多くは長さなどの一次元または二次元のデータですから,それらのデータをまとめて形状全体の三次元イメージをつかむのは簡単ではありません。また,複雑な曲面などの立体的なつながりを知るためには多くの測定データが必要になり,時間がかかることも問題となります。複雑な形をすべてを測るのは大変!!ちょっと違ったデータのとり方このような問題に対応するものとして,現実の形状に関する情報を自動的に取得し,3Dデータに変換する三次元スキャナーがあります。用途が限られるなどの問題はありますが,多くの場所で使われています。三次元スキャナーの種類としては,対象物を撮影して画像として取り込むもの,光や音波などを当て3Dデータを得るものなどがあります。表・1に主な方法をまとめました。これらのスキャナーは高価なものですが,最近はハンディタイプなどの普及品も出てきており,使用範囲が広がってきています。また,簡易なものとしては,スマートフォンなどでも画像認識ができます。計測したいものをスマートフォンで撮影し,画面上の位置を指定するだけで長さなどを測れるアプリケーションがあります(下写真参照)。表・1主な三次元スキャナー画像として取り込むもの2台のカメラでデータを取り込み三角測量の原理で3Dデータを得る方法76.5㎝光や音波などを当て3Dデータを得るものレーザー光タイプ:対象物にレーザー光線を当て,反射するレーザー光をセンサーで識別して三角法により対象物までの距離を計測します。パターン光タイプ:レーザー光線の代わりに縞模様のパターンのラインを識別することで,スキャナーから対象物までの距離を計測します。10QCサークルNo.696


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