QCサークル 2019年3月号(No.692)


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特集今時職場のQCサークルリーダー~現場で輝く!女性リーダー~●取り組んだ改善事例の紹介上位方針の「ライン編成効率の最大化」を受けて,生産台数の変動が大きく請負会社へ迷惑をかけている請負ラインを変化に柔軟に対応できる社員ラインに変更することが決まりました。私たちは,スムーズな立上げと効率的な生産実現のため「高天井照明器具向けLEDモジュールの生産性向上」のテーマに取り組むことにしました。【現状の把握と目標設定】社員が工程に入ってトライした結果から生産時間を試算すると,計画563分/日に対し1,285分/日と2.2倍もの工数がかかってしまうことがわかりました。このままでは予定の数量を生産することができません。仕事と家庭を両立するため,「定時内で無理なく生産したい!」という強い思いをメンバーと共有し,「社員一直勤務(昼勤のみの勤務体系)2名体制430分/日定時内生産」を目標として活動を開始しました。【対策の立案と検討・実施~効果の確認】ステップ1社員化編社員化(請負会社へ委託していた工程を社員が生産する工程に変更)するための問題点について特性要因図で要因を抽出・検証を行い,重要項目について対策を立案しました。①作業者の設備立上げ・切替え作業習熟度向上のための教育実施②2ライン間の生産負荷時間の見直し③電気特性検査機導入と工程間の作業バランスの見直し関係部署と連携してこれらの対策を実施し,社員ラインへスムーズに移行することができました。しかし,目標430分/日に対して521分/日と1.2倍の工数がかかっており,目標に届きませんでした。目標達成にこだわり,さらに取組みを進めることにしました。ステップ2楽ラク編ロジックツリー(問題を樹木状に分解して整理し,その原因や解決策を探る方法)を使い各作業でムダが発生していると思われる作業要因を抽出し,実際の作業をビデオ撮影したうえで動作分析を行い検証しました。①基板セット・取出し作業両手でレーザー印字済みの基板を取り出し,目視台に仮置き,次の基板を両手で印字機にセットするという動作になっており,一連の作業に9秒かかっていました。ビデオで繰り返し確認すると基板を平置きしているため取りにくく,それが原因で両手持ち・仮置きのムダが発生しているとわかりました。部品を置くマットを改造し基板を斜めに置けるよう対策したことで,基板を片手で取れるようになり,作業ステップを3回から2回に集約,作業時間を4秒短縮できました。基板セット・取出し作業の改善2019年3月号11


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