QCサークル 2018年12月号(No.689)


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体験事例1,図・4攻め所と役割分担このように,小チームにしたことでSPや出向者もサークル活動に参加しやすくなり,チームワークも芽生え職場の活性化につながりました。(1)車両のスペース検証(チーム寺尾)車種によって異なる作業スペースは,図・5に示すように,B:現状の方法で必要なスペースで,A:全車種共通のスペースのため,現在の作業方法のままではスペースが足りません。ックエンドを測定器付の測定専用ラックエンドに組替しなければなりません。作業手順を確認したところ,図・3のように,サスペンションを支える骨格である,重さ40kgのサスメンを下げ,20kgの操舵機構を取り外します。この操舵機構を組替場所に運搬し,測定器付のラックエンドと交換します。交換時の締付力が100N・m必要で,大きな工具と踏ん張るだけのスペースが必要です。ラックエンド組替後は,逆の手順で組付します。また,サスメンを下げる作業とギヤを外す作業については重量制限があり,SPおよび女性は2人作業がルールとなっています。図・3ラックエンド組替手順今後もSPや女性が増加することが予想され,このような体力が必要な職場ではなく,誰でも楽に働ける職場を目指し,「ラックエンド新組替方法への挑戦」をテーマとし,特性値:ラックエンド組替時間8時間をあるべき姿である2時間にする活動としました。現状の方法ではスペースがないワンポイントアドバイス図・5作業スペースの実態調査テーマ選定の背景からすると,あるべき姿は2時間ではなく,誰もが楽に働ける職場」になります。誰もが楽に働ける職場を目指したら,副次効果として作業時間が2時間になったという考え方が素直でしょう。3.攻め所と目標設定層別して区分けした後,メンバーを小チームに分け,それぞれのチームで期間を決めて,攻めどころの調査を行いました(図・4参照)。(2)組替工具検証(チーム勝又)作業スペースの調査で判明した図・5のAのスペースで作業できる組替工具を部品メーカーや他社さんを調査しましたが,見つかりませんでした。(3)組替方法検証(チーム吉田)ラックバーを固定せずに組替を行うと,ラックバーが回転してピニオンギヤに強く押しつけられ,キズがついてしまいます(図・6参照)。2018年12月号35


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