QCサークル 2018年12月号(No.689)


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現場課長のノウハウを活かした裁量で長所を褒めて育てる愛鋼㈱衣浦工場製造課磯田勝美さん当社の衣浦工場は,愛知県半田市に位置し,SUS材の圧延加工や鋼材切断・孔明け加工が主力の工場です。私は製造課長としてQCサークル活動の支援・指導・育成にあたっています。称えているガンバリの姿当工場では,年2回の工場発表大会があり,飛躍的に成長したサークルや目覚ましい活躍をした個人を工場大会の場で表彰し功績を称えています。磯田さん称え方の工夫(特徴)と成果現場課長は,常日頃の仕事ぶりから一人ひとりの長所(発言・文章・計算・発想・工作など)を見出し,そこを「褒めて伸ばして育てる」ことに心がけています。指導は,課長自らのノウハウを活かした裁量によるOJTの中で行われます。こうした,褒めることを最優先にした指導と育成によって成果を上げ,成長度や貢献度が顕著なサークルまたは個人を年2回の工場大会で表彰するようにしています。成長度や貢献度は,改善事例の活動プロセスの中で評価・審査されます。2016年には,事務職の女性が持つ発言力の高さに着目し,低迷する製造現場のサークルへ参加させたところ,新鮮な目線と柔軟な発想によって一気に改善が加速したという事例が表彰されました。長所である発言力を褒めて育てた成果によるものです。現場課長が,一人ひとりの長所を褒めて育てることで,モチベーションが上がり,サークルの行動姿勢が前向きになり改善活動の活性化につながっています。受賞者の声「ひまわりサークル」の榊原陽子です。大勢の前で役員から褒められて,普段では味わえない緊張と喜びを感じました。素人の私の素朴な疑問がきっかけとなった改善を評価していただき,うれしいです。今後も,女性目線で改善活動に貢献していきます。表彰式の様子現場で頑張る姿学びどころ職場の上司が,サークルや個人の仕事ぶりをしっかり見て,認めて褒めてあげることが,やる気とやりがいにつながります。定形的な教育だけでなく,現場と部下を知り尽くした「課長の裁量」で褒めて育てることも有効です。「現場のことは現場で」という考え方が活かされていると思います。右手前が榊原さん(構成戸屋一彦)2018年12月号11


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