QCサークル 2018年9月号(No.686)


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2018年9月号33体験事例1バンパー1台当たりの塗着効率はトヨタグループ内比較では,1位と4%しか違いはありませんが,半分以上を捨てていることに着目しました(図・2参照)。そこで,圧倒的な塗着効率を実現するために,まずはとことん効率のよい条件をMCT無視で調査し,その後にオーバーしたMCTの短縮に取り組むことにしました(図・3参照)。塗布機により塗料を霧状に噴射して塗装しています(図・4参照)。塗装する条件には,ベルの回転数,シェービングエアの流量のほかにもガンの速度や角度などたくさんの条件があります。そこで,塗布条件の組合せを作り出し,塗着効率を調査していきました。その結果,次の3点が明確になりました。①塗布面から塗布粒子が舞い上がっている,②開口部から塗料が抜けている,③吹付角度が垂直になっていない。以下,③についてのみ紹介します。塗料を吹き付ける角度がバンパーの塗装面に対して垂直でない場合,図・5のように塗料が外へ逃げてしまいます。吹付角度を傾けていくと塗着効率は減少してしまいます。また,現状の吹付軌道は一筆書きのため,バンパーの湾曲している部位では塗料が二方向へ逃げてしまいます。塗着効率を2017年6月までに70%以上にする目標を立て,活動計画を作成しました。【塗着効率の向上対策】「塗着効率の向上が一番望めるのはすべての面に対して垂直であること」という声から系統マトリックス図で評価して,面ごとに分割して塗装することにしました(図・6参照)。4.目標の設定5.対策の検討図・2バンパー塗着効率の比較(グループ内)図・3活動の進め方図・4塗布機の説明図・5吹付角度と塗着効率との関係図・6「どの部位でも垂直に保つには?」の系統マトリックス図STEP1最適条件を調査STEP2塗装プログラムへ反映STEP3本生産するためのMCT短縮ベルシェービングエア塗料【シェービング】ムダなモノを整える塗装パターンシェービングエアを出すことでバンパーにムダなく塗装できるスプレーが作れます908070605090吹付角度塗着効率(%)(°)100806040200吹付角度と塗着効率の関係性角度を傾けていくと塗着効率が減少する垂直でない場合外へ逃げる気流塗装面湾曲部位では二方向へ同時に逃げている現状の軌道は「一筆書き」軌道IN軌道OUTパターン幅を細くするには?人工法設備材料手吹き補正標準化ローラー塗装刷毛塗り塗装塗装機の変更塗装ロボット追加効果コスト安全品質難易度作業性評価点順位面ごとに分割して塗装161フィルム塗料の開発塗装レス樹脂の開発どの部位でも面直を保つには?A社B社C社岩手D社E社F社G社H社I社(%)1008060402001位:53%当社:49%ボデーGRベンチマーク指標よりクリア工程のみを抜粋9月号_体験事例1_8.3.INDD3318/08/0812:49


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