QCサークル 2018年6月号(No.683)


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34QCサークルNO.683社会医療法人水和会水島中央病院●所在地:岡山県倉敷市水島青葉町4-5●構成人員:男性8名,女性6名●メンバー年齢:平均42歳●結成:1987年6月●テーマ歴:29件目●本テーマの会合回数:16回●1回の会合時間:30分(時間内)一般撮影室の検査に関するエラー発生率の低減〜ヒューマンエラーはどこまで抑えられるか?〜QC医療現場のインシデントを現場目線で分析し,効果を上げた事例体験事例1かという思いと,「この悩み,正面から向き合う必要がある」という上司の後押しもあり,当テーマに取組むことにしました。一般撮影検査の流れを図・1に示します。患者さんが放射線科に来ると,電子カルテで患者さんの撮影オーダーを確認します。確認ができたら当該患者さんのカルテNOや名前・性別・生年月日などの患者情報や撮影部位などの撮影情報を画像処理装置に入力しま私たちが勤務する水島中央病院は,水島臨海工業地帯の中央にあります。設立は1961年で,工業地帯の発展とともに成長し,現在では診療科17科,ベッド数155床,職員数約330名の病院です。私たち放射線技師の仕事内容は,胸やお腹また骨などを診る一般撮影,輪切り画像や3D画像を作り出すCT検査,磁気を使用するMRI検査,バリウムを飲んで胃や腸の動きを診る透視の検査,造影剤という薬を使って血管だけを映し出すDSA検査などがあり,24時間体制で検査業務についています。放射線科の部署目標である「QC活動を利用した医療の安全と,患者サービスへの取組み」から,一般撮影検査のインシデント報告が多いことに着目しました。しかし,「インシデントのほとんどがヒューマンエラー絡みだから対策の打ちようがないね」などとトーンダウンした声もありました。たしかにヒューマンエラーであるため,対策を打つのは難しいのですが,重大な医療事故につながりかねないため,どうにか減らすことはできないこんな事例です医療現場において,潜在化しやすいヒューマンエラーに真摯に向き合い,対象としたヒューマンエラーを見事に撲滅しています。エラーが発生する状況をよく整理し,要因を洗い出し,かつ事実確認ができています。製造業と違い数値化することが難しい分野ですが,効果的な対策と歯止めがよくできている参考になる事例です。●第5939回QCサークル大会(中国・四国支部岡山地区主催)からの推薦トンボサークル1.職場紹介2.テーマ選定3.現状把握重大な医療事故をなくすという強い思いから,対策を打つことが難しいと予想されるヒューマンエラー撲滅にあえて取り組んでいます。この姿勢は見習いたいものです。ここがポイント6月号_体験事例1_5.9.INDD3418/05/159:59


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