QCサークル 2018年4月号(No.681)


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2018年4月号33体験事例1ハウジングにはロアプラグはじめ様々な部品およびドライブシャフトとドリブンシャフトを組み付けて製品となります。基準点サーチ方法はハウジングに組み付けたドライブシャフトの先端には,組付状態の基準点を認識するDカットという切欠き部にチャックヘッドをあてがい,チャック内センサーが45度の角度範囲で正転と逆転を行い,Dカット部が基準内にあることを検出します。センサーがDカット部を検出できないと,サーチ異常として設備停止します(図・2参照)。その復帰処置は,設備異常を解除し手作業でシャフトを回転させ,センサーが検知できる範囲内に合わせて再測定します。新車種が生産され始めた10月以降サーチ異常が頻発していることから,工程の調査を行いました。新車種にはエンジン面プラグという部品が追加されてハウジングの裏側に組み付ける作業となるため,ハウジングを裏返す動作が必要となって設備の改造と,ワーク搬送に使われる13枚のパレットも部分改良されました。基準点サーチ異常はエンジン面プラグが追加された3車種のみに発生しています。センサーが検出できないDカットの位置を調べると,時計回りや反時計回りに規定位置から外れて大きく回転しているもの,180度反転しているものなど様々な状態であることがわかりました(図・3参照)。このことから,シャフトのDカット部が規定位置より外れていることで検出できないことが悪さの元凶と判断しました。サーチ異常をゼロにすれば時間当たり出来高45台を達成できることを確認し,行動に入りました(図・4参照)。3.現状把握4.目標設定と活動計画新車種生産時の設備と部品の動きを現場で細かく見て問題の所在を明らかにしています。3現主義で事実をつかまえることの大切さを知りましょう。学びどころDカット部が規定位置にないことによる基準点サーチ異常が発生すると,機能上どんな不具合が生じるのかについて説明があるとテーマに対する理解度が一層深まります。ワンポイントアドバイス本件ストーリーのポイントは,新車種の追加による設備改造という変化点が問題の発端です。何を変えたのか,何が変わったのかなどを,出発点として攻めていくと本筋が見えてきます。ワンポイントアドバイス図・2基準点サーチ検出方法図・3サーチ異常となる状態図・4目標設定と活動計画Dカット部位が規定位置にない状態シャフトウエイト部カットD部(基準点)正常な状態では:シャフトウエイト部が平行になっている【正常な状態】Dカット部の位置がセンサーの検出範囲から外れているセンサー検知範囲逆にズレている反時計回りにズレている時計回りにズレているチャックヘッド部【基準点検出方法】チャックヘッドが正転→逆転し,測定の基準となるDカット部のA点・B点を検出Dカット部のA点からB点の間が検出範囲ドライブシャフトウエイト部ウエイト部ドライブシャフトDカット部チャックをシャフト先端部に装着B点A点Dカット部(基準点)予想効果:523,000円/年基準点サーチ異常を「ゼロ」にすることで時間当たり出来高45台/H以上が達成できる何を:基準点サーチ異常いつまでに:17年3月31日までどうする:「ゼロ」にする1)目標3要素2)目標の根拠3)予想効果金額4)活動計画ステップリーダー主:大森副:岩渕主:川瀬副:吉田主:前原副:臼井活動計画主:小川作成副:堂園主:坂田副:奥山主:岩渕副:中野主:一美副:城戸主:奥山副:堂園標準化と主:大森管理の定着副:川前主:大津副:坂田効果確認7対策実施6対策検討5要因解析1テーマ選定3目標設定活動ステップ1/61/131/201/2710反省と今後の進め方2/32現状把握8942/102/172/243上段::計画下段実績活動の申合せ事項1.役割分担を明確にする2.真の原因を追究する3.対策費用はかけない4.若手のスキルUPをはかる5.最後まで諦めずに取り組む4月号_体験事例1_3.7-2.INDD3318/03/143:28


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