QCサークル 2023年6月号(No.743)


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特集事務系改善で使える改善手法のアレコレ事例紹介解析業務の効率化~FT-IR分析の考察・前処理時間の削減~MarketQualityサークルメンバーのみなさん評価点◎:5点○:3点△:1点総合評価短期解決全員参加挑戦意欲自分たちで解決評価点サークルメンバー評価項目評価項目問題点職場要求度評価点取組性重要制緊急性活動期間課方針◎◎◎◎○23解析業務の効率化18○◎◎◎41◎○◎◎○21過去トラマップ作成によるフィードバック活動強化18◎◎◎○39◎△◎◎○19○◎○○△15製品分解手順書の精度アップ実技を模擬した治具作成による解析の精度と効率アップ10○○△○298○○△△23図・1T型マトリックス図でテーマ確定2.テーマ選定市場クレーム品解析は,まず解析難易度にかかわらず解析班が担当します。新規案件の場合,過去事例がなく様々な分析機器を使って解析を行う必要がありますが,判断に迷うと専門知識を持つ分析班へ相談や分析を依頼していました。そのため,お客様回答までに時間がかかることがあり「解析業務の効率化」をテーマとしました(図・1参照)。ポイント①T型マトリックス図を使って評価項目を職場要求度とサークルの思いについて客観的な評価を行うことができ,メンバーの合意を得やすくなります。1.サークル紹介市場クレーム品解析を行う市場品質管理係の解析班と分析班の11名で構成された結成10年目を迎えるサークルで,メンバー全員が主体性を持って取り組んでいます。(%)100累積比率50クレーム品受付管理台帳登録解析方法決定OK結果報告結果報告そのほか分析,解析を実施FT-IR分析試料前処理測定考察NG材料・成分の照合・特定解析結果まとめ報告書作成報告書提出図・2解析業務フロー図88%(分)17015012030考察試料前処理10測定10結果報告0図・3FT-IR工程別作業時間2023年6月号11500100時間3.現状把握~目標設定解析業務を分析すると,分析機器のFT-IR※1は全員が使用しており使用時間も多く,手順別で見ると考察※2と試料前処理で全体の88%を占め,150分かかっていました(図・2,3参照)。そこで目標を半減の考察時間60分,試料前処理時間15分としました。※1FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)分析:主に有機化合物の構造推定(定性)を行う分析装置※2考察:物質特定まで標準波形データと照合する。物質が混ざり合った試料が多いため標準波形データと一致しない場合は,物質を推測しながら波形データを取得し,一致するまで繰り返し照合を行う4.要因解析~対策実施考察と試料前処理の要因は,図・4のように大きく4つあり,特に要因①は,解析難易度にかかわらず解析班の各担当者がどのような解析を行うかを決定していたことで解析業務のやり直しが発生していました。そこで対策案を検討した結果,4つの対策を実施することにしました(図・4,5参照)。中でも対策①については,クレーム品受付のたびにミーティングを行い,L型マトリックス図の「回収品解析進捗管理表」を使用して不具合内容と難易度を共有し,その場で解析手順を決定するようにしました(図・6参照)。分析機を使った分析業務が必要な場合は分析班に依頼し,解析と分析を分けて同時進行で進めることで,解析班は別の解析に集中できるようになり,また誰が何


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