QCサークル 2023年6月号(No.743)


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解析業務の効率化~クレーム情報を共有し,解析業務を可視化しよう~パナソニックオートモーティブシステムズ㈱キャビンUXビジネスユニット事例1会社・組織紹介当社は,福井県敦賀市にあり,自動車に搭載される製品(スイッチ・センサー類)の開発・製造・販売を行っています。私たち品質技術課は,製品審査係と市場品質係があり,お客様が安心・安全に車に乗っていただくために,製品審査・製品検証などを行い,未然防止活動に取り組んでいます。会社外観インタビューQ.1今回の改善に取り組もうとしたきっかけは何ですか。市場クレーム対応を行う市場品質係の解析班の困りごとを分析班と一緒に取り組みました。市場クレーム品が返却されると,解析班の担当者が解析方法や手順を考え実施していましたが,過去事例のない解析や分析には悩むことが多く,真因特定に時間がかかっていました。特に,物質の成分分析や物質の特定に時間がかかり,解析班がなかなか真因を特定できず解析方法を悩んだ末に,分析班に助言や分析してもらうと短時間で解決することが多く,悩んだ時間がムダと感じテーマとして取り組むことにしました。前:植林恭子さん後:藤井宏冶さんQ.2「マトリックス図」の工夫した点やよかった点は何ですか。今までクレーム品の返却受付,不具合事象,回答報告までの進捗管理などを記入していた市場クレーム品管理台帳に,解析班と分析班が行う解析・分析方法などの項目をマトリックス図で組み合わせた「回収品解析進捗管理表(図・6参照)」を作成しました。これは,解析業務全体を可視化できる帳票となったことで,解析班と分析班で誰が何をいつまでにすればいいのかすぐわかるようになりました。Q.3事例のアピールポイントを教えてください。現在は,朝ミーティング時に「回収品解析進捗管理表」を活用し,解析班・分析班の全員で返却品の解析業務を検討・共有することで,真因特定が早まり,お客様への回答報告も早くなり,解析業務全体の効率化につながったと思います。今まで解析班と分析班は縦割り業務だったので,双方の困りごとに気づけませんでしたが,今はお互いをフォローし合えるようになりました。10QCサークルNo.743


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