QCサークル 2023年1月号(No.738)


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体験事例1(4)夜間におけるコラムの変化を調査1台目が高いのは,「コラムの位置が変化するから?」との仮説から,コラムにダイヤルゲージを取りつけて,夜間における変化を調査したところ,「コラムの位置が0.05㎜上昇している」ことがわかりました。(5)加工の継続によるコラムの変化を調査徐々に下がるのは,「コラムとワークとのすき間が変化するから?」との仮説から,ブロックゲージを取りつけすき間量を調査したところ,加工の始めから終わりまでの間に,「コラムの位置が0.05㎜下がる」ことがわかりました。(6)現状把握のまとめばらつき調査と仮説の確認結果から,①夜間にコラムの位置が,0.05㎜上昇する②加工を続けると,コラムの位置が徐々に0.05㎜下がるこれを,問題点として特定しました。*学びどころ*問題点を特定するまでの調査が,論理的に科学的に進められており,納得性があります。目標の設定何を(特性値)いつからいつまでにどれだけに(目標値)コラムの高さ変化量0.05㎜を2018年4月から9月までに0.02㎜以下に<目標値設定の根拠>上面高さ規格中央値(+0.15㎜)から調整作業なしでガスケット中央「3」サイズを維持できる中央値*学びどころ*規格範囲内の中央値を目標としている点に,厳しさへのチャレンジ精神と品質意識の高さがうかがえます。活動計画対策の実施で大幅に遅れてしまいましたが,最後まで諦めずに活動することができました。2023年1月号33中央値12345㎜ガスケットサイズ現状把握(1)実稼働(3日間)でのばらつきの調査全台数の上面高さの推移と調整作業の実態を調査した結果,①1台目が高い⇒コラムを-0.05㎜下げ⇒2台目以降は,中央値を維持②30台目が低い⇒コラムを+0.03㎜上げ⇒31台目以降は,中央値を維持③最終台が低い⇒コラムを+0.02㎜上げ⇒コラムは,1台目と同じ位置で終了という状況でした(図・3参照)。①台目-㎜3日間の上面高さ推移グラフ①㎜-①㎜-(㎜)0.250.230.210.190.170.150.130.110.090.070.05上面高さ1102030405060708090100110207080901001101102050607080㎜+㎜+㎜+㎜+③90100②3040ʻ18/5/17㎜+②+③ʻ18/5/15③②30405060ʻ18/5/16図・3実稼働でのばらつき調査(2)高さ調整なしでのばらつきの調査ガスケットの在庫品を確認して,高さ調整しない状態で上面高さの推移を調査した結果,①1台目が,前日終わり値より0.05㎜高い②徐々に下がり,最終台で0.05㎜低くなる③外れサイズ「2」が,47%発生することがわかりました(図・4参照)。ガスケットサイズ12345上面高さ推移グラフ(上面高さ調整なし)③①②(台)次日始め物7080901005060加工台数110203040前日終わり物図・4高さ調整なしでのばらつき調査(㎜)0.250.230.210.190.170.150.130.110.090.070.05上面高さ(3)ストッパーの密着状態を調査1台目が高いのは,「コラムのストッパーが密着していないから?」との仮説から,ペーストを塗布して調査したところ,確実に密着していることが確認できました。


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