QCサークル 2022年10月号(No.735)


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特集活動の壁を乗り越えた達成感と成長の軌跡さらに,意見が思い浮かばないメンバーのために,困りごとや悩みごとなどを自由に書き込むスペースを設けて,一部のメンバーだけの活動にならない工夫をしています。掲示板では,指導者からのアドバイスをもとに,指導者とメンバーの間でキャチボールが行われるなど,盛り上がりのサイクルも生まれています。3.上司を巻き込んだ活動QCサークル活動を円滑に進めるため,特に上司とのコミュニケーションに努めました。中でも,要望や要求をする時には,ただ単に助けを求めるのではなく,「論理的な説明」を心がけて「納得してもらう」というアプローチをしました。メンバーの増員が実現した例では,メンバーの仕事量の山積みと,勤務体制と合わせて,マトリックス図を用いてデータで説明しました。このように,会合への呼びかけや勉強会の講師の依頼など,日々の報告・連絡・相談を通じて,上司を巻き込んだ活動に努めました。得られた達成感活動時間の確保と活動情報の共有化,そして上司との連携で活動を進めた結果,リーダーとしての初仕事を無事に完結することができました。先の見えないスタートでしたが,後工程の協力を得ながら最後までやりきったことに大きな達成感を得ました。上司から,「よく頑張ったね。成長したね」とお褒めの言葉をいただきました。また,改善の成果に対して,他部署からも喜びの声が聞かれ,win-winの関係を築くこともできました。Cゾーン1Dゾーン1よい54BゾーンAゾーン(構成:河島和美)2022年10月号11DゾーンCゾーン★CゾーンDゾーンDゾーン2243X軸5高い3211Y軸図・3サークルレベルの推移成長の姿リーダーになって2年間で,4件のテーマに取り組みました。メンバー全員が積極的に活動できるようになり,サークルレベル評価が,DゾーンからCゾーンにアップしました。三現主義の考え方も身につき,今後,更なるレベルアップを目指して頑張っていきます。◎学びどころ業務の繁忙化や交替勤務の時間差で活動がスタートできない状況を,リーダーシップ(責任感と統率力)を発揮してキックオフに結びつけている事例です。活動時間の確保やコミュニケーションづくりに知恵と工夫がうかがえます。特に納得してもらうための,数値化による論理的な説明の仕方については,プレゼンテーションの基本であり,ぜひ,参考にしたいところです。◎ワンポイントサークル活動の困りごとで,もっと多く聞かれるのが,「全員参加の会合ができない」という声です。たしかに,メンバー全員が会合の席に着くことが望ましいのですが,会合だけが全員参加の活動ではありません。一人ひとりが何らかの役割を受け持ち,情報を共有しながら活動を進めることです。役割分担を明確にして宿題を確実にやり遂げ,進捗状況をコミュニケーションツールで見える化する工夫をしましょう。


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