QCサークル 2022年4月号(No.729)


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連載講座古池くん:「確かにいろいろな不適合が日々発生しているようだけど,10日間で12件か。月に100件以上って聞いていたけど,なんだか思いのほか少ない気がするなぁ」●そこで,さらに調査期間を延長し1ヵ月後,古池くんのもとに届けられたチェックシートには,33件の不適合が記録されていました。製造ラインの担当者からは,「製造ラインでは,つねに製品が流れているので,不適合発生の状況をこのチェックシートに記録するのはとても大変なんだよ」と言われてしまいました。古池くん:「1ヵ月の調査で33件か,不適合は少ないに越したことはないけど,報告されている処理数と比べて極端に少ないって,なんか変だなぁ」組立検品収納《チェックシート(調査・記録用)を極める》作業中でも正確に漏れなく記録古池くんは工程の状況を調査するために,どのような不適合が,どの程度発生しているのかを調べました。このような場合に使用するチェックシートを「調査・記録用チェックシート」といいます。最初に古池くんが作成したチェックシートは,不適合の項目ごとに,日々のデータ集計値を記入できるようになっており問題はないように思われます。でも,実際にデータをとる製造ラインの担当者の立場から見るとどうでしょうか?調査期間内に,「どんな不適合が,いくつ発見されたか?」を調査することが目的ですから,作業中であっても正確に漏れなく記録できるチェックシートでなければなりません。しかしこのチェックシート(図・2参照)では,不適合を発見したら,その都度どこか別な場所にカウント値を控えておき,1日の作業終了時に総数を数えるなど,手間が増えるだけです。では,どんなチェックシートが適切なのか考えてみましょう。222年月号57


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