QCサークル 2022年4月号(No.729)


>> P.9

運営・推進のページ2022年共通テーマQCサークル活動を推進しよう!第4回全員参加(全員参画)するには運営・推進のページの小委員会委員長/須加尾政一委員/遊馬一幸,上家辰徳,木内正光,佐藤直人,志村嘉男1.はじめに今月号では,全員参加(全員参画)について考えてみましょう。QCサークル活動のねらいの一つに人材育成があり,QCサークル活動を支える現場一人ひとりの社員が,自主的に職場の問題を改善できるような能力を持てるように成長させることです。では,どのようにして人材を育成するのか?まずは,同じ仕事をしている仲間同士でサークルを結成し改善活動のやり方を勉強して,全員で改善活動をやってみようということからQCサークルが誕生しました。実際に活動を行ってみると,人材育成や改善効果など予想以上の効果があり,何より職場のモラール(やる気)の向上がはかられたことが,日本が戦後の焼け野原から,たった20年で世界一の品質大国,経済大国にまで成長したことにつながったと思います。戦後,QCサークル活動が発展し,日本の復興に寄与できたのは単なる偶然ではなく,そこには人間的な要素が強く作用する仕組みがあったのではないでしょうか。本誌1月号で紹介した「QCサークル活動の基本理念」の中で,QCサークル活動をしっかり取り組んでいけば,人が育ち,明るい職場となり,企業に貢献できるとあります。そのためには,サークルリーダーだけでなく,サークルメンバーや支援者,推進者,経営者を含めたQCサークル活動すべてにかかわる人が,行動心理学など人にかかわる仕組みを理解し,活用する必要があります。ところが現在,ある地区のセミナーで受講者にQCサークル活動の現状についてアンケートをとってみると,全員参加で活動ができない,会合の時間がとれない,またテーマが見つからない,活動件数のノルマがある,手法が発表大会や活動報告書のアクセサリーとなっている,支援者からの支援が少ない,活動のモチベーションが上がらないなど,毎年同じような回答が見受けられます。第4回では全員参加(全員参画)に必要な「人がやる気を起こす仕組み」,「場をつくり,場を活かす」この2点について解説したいと思います。2022年4月号35


<< | < | > | >>