QCサークル 2021年9月号(No.722)


>> P.10

事例1.社内研修において対面演習と変わらないリモート演習を実践㈱TMJ1.会社紹介TMJは,コンタクトセンターの運営やバックオフィス業務の受託・運営を行うセコムのグループ会社です。当社では,2006年より「小さな改善」活動という名称でQCサークル活動をスタート。各サークルが切磋琢磨し改善活動に励み,改善活動が文化として根づいています。2.環境変化における取組み昨今のコロナ禍において,当社でも発表大会や研修の実施スタイルを大きく変更せざるを得ない状況となりました。大会・研修ともに,従来は集合・対面式で実施していましたが,3密を避けるために,すべてオンライン形式へ変更しました。研修においては,「演習をどうやって実施するか?」ということを真っ先に検討・議論しました。当社では,オンライン会議用のツールとしてMicrosoft社の「Teams」を使用しています。このソフトには,参加者全員が同じファイルを操作できる機能があり,この機能を使うことで対面実施時と同じように,受講者の作業途中の様子を講師がリアルタイムでフォローできるようにしました。フォローの仕方も声で伝えるのではなく,受講者それぞれが作業しているファイルにコメントを直接書き込むようにひと工夫を加えました。これは,声に出すと受講者全体に聴こえてしまうための配慮からです(図・1参照)。また,グループワークでは,書記役がパソコン画面を共有し,受講者の討議内容を入力・整理をする,というスタイルで実施しました。集合形式での模造紙がパソコンの画面に置き換わった,ということです(図・2参照)。紹介したような細かな工夫を重ねながら研修を実施した結果,今では対面研修と変わらない内容で充実した研修を開催しています。**ですクライアントからの依頼内容があいまいでというのは理由になってしまうので表現を直しましょう演習シート(1)リモートワークでTSRの業務に取り組む様子がわかりにくくなっているTSRそれぞれに同じ説明をしても同じようにできないTSRのフォロー研修がワークブックP14できていない例①②③クライアントからの依頼内容について要件の特定がうまくできないワークブックP14⑦③⑪⑦⑥⑩⑥↑なるほど。ありがとうございます**ですクライアントからの依頼内容があいまいでというのは理由になってしまうので表現を直しましょう↑なるほど。ありがとうございます個人ワークで「テーマ選定」を実施した際のフォロー対応例です。左囲みのように,講師フォローと受講者の返答のやり取りが行われて個人ワークで「テーマ選定」実います。した際のフォロー対応例です。左囲みのように,講師フォローと受講者の返答のやり取りが行われています。オンラインで発言しづらいことから,受講者を1人ずつ指名して発言してもらうことがポイント。書記役がパソコン画面を共有し,発言内容オンラインで発言しづらいことかをまとめていきます。ら,受講者を1人ずつ指名して発言してもらうことがポイント。書記役がパソコン画面を共有し,発言内容をまとめていきます。⑧⑨⑩⑪クライアントからの依頼の期日がギリギリ仕事の方法が属人化している図・1個人ワーク(テーマ選定)図・2グループワーク(要因解析)金貯暇を持て余しているコンビニに頻繁に行ってしまう時間大骨外食によく行ってしまう外出が多い子骨中骨外出が多い背骨ギャンブルをしてしまう通販をよく利用する特性要因図の作成テーマお金が貯まらない暇を持て余しているコンビニに頻繁に行ってしまう何に使っているか分かっていない衝動買いをしてしまう通販をよく利用する①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩外食によく行ってしまう部屋が汚い(何があるのか分からない)家計簿をつけない美意識が高い外出が多い(自分への)ご褒美が多い自分の持っているお金を把握していない物欲が強いギャンブルをしてしまう人におごってしまう⑪⑫⑬⑭⑮要因の洗い出しコンビニに頻繁に行ってしまう②時間欲求管理暇を持て余している外食によく行ってしまう通販をよく利用するギャンブルをしてしまう外出が多い①⑥⑤⑭⑩衝動買いをしてしまう美意識が高い物欲が強い(自分への)ご褒美が多い④⑨⑬⑪何に使っているか分かっていない家計簿をつけない自分の持っているお金を把握していない部屋が汚い(何があるのか分からない)人におごってしまう③⑧⑫⑦⑮要因のカテゴリー分け演習シート(1)④例今期やるべき人員配置に向けた人員が足りずTSRのフォロー研修が昨年の配置のままできていない⑧④⑤⑨⑤①リモートワークで,新しいスキルを付与するようなリモートワークでTSRの研修が止まっている組む様子がわかりにくくなっている②リモートワークで,配下メンバーの稼働管理に時間TSRそれぞれにがかかるようになった同じ説同じようにできない特定の曜日にクライアントからの依頼残業が多く発生する内容について要件の特定がうまくできないクライアントからの今期やるべき人員配置に向けた人員が足りず依頼の期日がギリギリ昨年の配置のまま仕事の方法が属人化しているリモートワークで,新しいスキルを付与するような研修が止まっているリモートワークで,配下メンバーの稼働管理に時間がかかるようになった特定の曜日に残業が多く発生する要因の洗い出し要因のカテゴリー分け特性要因図の作成3.今後に向けてオンラインによる研修の実施によるメリットとして,「会場の確保が不要」,「会場へ移動する必要がない」,「全国一律の研修が実施可能」というようなことがあげられます。これらのことから,アフターコロナにおいても,大会・研修ともに集合形式とオンラインを併用した「ハイブリッド形式」で継続されていくと考えています。コロナによって様々な変化が生じていますが,「ピンチをチャンスに!」ととらえて既存のやり方を見直すよいきっかけとしていきましょう。26QCサークルNo.722(鹿野智)


<< | < | > | >>