QCサークル 2020年11月号(No.712)


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連載講座エピソードを通して品質管理の基本と実践を学んで,QC検定に挑戦しよう!品質の基本的な考え方の一つとして,社会的品質を考えることが大切であるといわれていますが,この考え方について教えてください。①質問第11回顧客と社会に対する品質の基本解説①社会的品質とは,製品・サービスまたはその提供プロセスが第三者(供給者と購入者・使用者以外の不特定多数=社会)のニーズを満たす程度のことであり,品質要素の一つといえます。社会的品質には,①製品・サービスの使用が第三者に与える影響(音響機器の騒音,輸送に伴う自動車の排気ガスなど),②製品・サービスの提供プロセス(調達,生産,物流,廃棄など)が第三者に与える影響(資源の浪費,工場の廃液・騒音・煤ばい煙えんなどによる公害,建設工事に伴う近隣住民への騒音,廃棄物での汚染など環境問題に関するもの)などが該当し,供給者はそれらを社会の許容限界内にすることが大切です。今年の7月からプラスチック製の購買袋の有料化が行われています。プラスチックは成形しプロセスプロセスプロセス製品・サービス提供満たす程度第三者=社会のニーズ図・1社会的品質の考え方やすく,軽くて丈夫で密閉性も高いため,製品の軽量化や冷凍保存による食品ロスの削減など,あらゆる分野で私たちの生活に貢献しています。しかしその反面,廃棄物・資源の制約,海洋プラスチックごみ問題,地球温暖化などの課題に取り組むことが必要です。このため,商品の企画・設計の段階で社会的品質を考え,商品の素材に生分解性の高いプラスチックやリサイクルできるものを使うことが生産者に求められています。図・1に示すように,製品・サービスはマネジメントシステムの運営管理の結果です。このため,組織は社会の一員であるので,事業活動とそのアウトプットは,第三者である社会のニーズを満たす責任があります。52サークル12


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