QCサークル 2020年11月号(No.712)


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全日本選抜QCサークル大会と運営事例~その生い立ちとねらいについて~全日本選抜QCサークル大会とQCサークル本部長賞第1回全日本選抜QCサークル大会は,1971年11月7日東京・日比谷公会堂にて開催されました。QCサークル活動が誕生して9年目の頃になります。なぜこのような大会がされるようになったのか,当時の大会体験要旨集に掲載されていた大会の主旨を見てみましょう。QCサークル本部長賞とはQCサークル綱領の精神に則り,他の範となるべき活動を行なうQCサークルに授与され,QCサークルの普及とその活性化,レベルアップを目的に,昭和46年から創設された。応募者は事業所長の推薦をもって,QCサークル各支部に応募する。支部で選考のうえ,QCサークル本部(日科技連内)に推薦され,推薦サークルは本部長賞審査委員会で書類審査と発表会(全日本選抜QCサークル大会)によって,本部長賞金賞,同銀賞が授与される。推薦サークルの数は,支部内のQCサークル本部登録数5,000および端数につき1件である。応募資格は,QCサークル本部に登録して1年以上,結成後3年経過していること,外部大会の発表経験を有し,3年間にメンバー1人あたり2件以上の改善を行っているQCサークルであること。他のQCサークル関係の賞(FQC賞※,支部長賞)にくらべこの賞はQCサークル活動の永続性に重点がおかれている。各サークルはどしどし応募していただきたい。※FQC賞は現在のQCサークル石川馨賞半世紀前のことですので,解説します。『QCサークル綱領』とは,今の『QCサークルの基本』(QCサークル本部編)の前身で,第1回全日本選抜QCサークル大会が開催される前年の1970年に発刊されました。QCサークルが誕生した当初の目的は,現場第一線でのQC活動(品質の維持・向上)の実践と定着にありました。各社で活動を進めていくと,品質の維持・向上の成果だけでなく,職場が活き活きしてきた,仕事への充実感が増した,との報告が相次いだことと,QCサークル活動が盛んとなりサークル数も急激に増えてきていました。進め方のばらつきが懸念されることもあり,基本となるものをはっきりとさせ,まとめたものが『QCサークル綱領』でした。この『QCサークル綱領』に,QCサークルの基本」とともに「QCサークル活動の基本理念」が定められ,今日に至っています。上述の全日本選抜QCサークル大会の主旨にある「QCサークル綱領の精神に則り…」とは,QCサークル活動を進めていくうえで大切な基本と目指したいQCサークル活動の基本理念をよく理解し,実践して成果を上げているQCサークルに対して“本部長賞”の制度を設け,授与しようとするものでした。そのようなQCサークルを全国から選抜し,発表・審査する場として全日本選抜QCサークル大会が設けられたことになります。これからの,みんなの範となるQCサークルを表彰する「QCサークル本部長賞」を審査し表彰することがねらいで開催されてきました。なお,本部長賞には金賞と銀賞が設けられ,また2008年からは「事務・販売・サービス部門(医療・福祉含む)全日本選抜QCサークル大会」が開催されています。『QCサークル綱領』QCサークル本部長賞と運営事例QCサークル本部長賞は,『QCサークルの基本』の精神に則り,他の範となるべき活動を行10QCサークルNo.712


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