QCサークル 2020年11月号(No.712)


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特集サークル運営の秘訣を学ぼう「QCサークル活動の目的とは何でしょう?」と問いかけると,「改善をすること」と回答する人がほとんどです。改善をすることだけでよいのであるならば,QCサークル活動とは呼ばずに改善活動と素直に表現したほうがわかりやすいですよね。『QCサークルの基本』は,「QCサークル活動とは」と「QCサークル活動の基本理念」から構成されており,「QCサークル活動の基本理念」には下記内容が記されています。人間の能力を発揮し,無限の可能性を引き出す。人間性を尊重して,生きがいのある明るい職場をつくる。企業の体質改善・発展に寄与する。これらを実現することがQCサークル活動の目的ととらえることができます。3つを同時に達成できるのがQCサークル活動といってもいいでしょう。ただし,どの部分に力を入れるかは企業が置かれている立場や環境,時代によって,当然変わってきます。この基本理念を実現するための手段がQCサークルであり,具体的に実施すべき内容が「継続的に製品・サービス・仕事などの質の管理・改善を行う小グループ」なのです。管理:現状のやり方を前提として,製品・サービス・仕事などの質を,望ましい状態に安定させ維持していくこと改善:現状のやり方を改め,製品・サービス・仕事などの質の水準をさらに望ましい状態に向上していくことすなわち,よい状態を維持するという管理のためには,基準・標準を守り,変化や異常に気づき,自分たちの仕事を決められたとおりに確実に行うことが第一線の職場の任務であり,このことがうまくいくように,そのやり方を考え,工夫して努力することが基本となります。また,改善を行う際にはどのような手順で進めていくのか,どういうデータを収集しどのように分析するのかなどを決める会合をはじめとして,改善をうまく進めることができるように知恵を出し合い,実行していくことが重要です。このような管理・改善を行うためには,やり方を考え,工夫して努力することが大切です。このことを“運営”といい,QCサークル活動の運営を円滑に進めていただくために1971年にQCサークル本部編『QCサークル活動運営の基本』が発刊されました。(引用・参考文献:『新版QCサークル活動運営の基本』QCサークル本部編,1997年)本特集では,この“運営”部分にスポットを当てて構成しましたので,日頃のサークル運営に役立ててください。(須加尾政一)関東編集小委員会11月号特集メンバー委員長/須加尾政一委員/津田和彦,永井一志,中島健一,山田佳明2020年11月号9


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