QCサークル 2020年6月号(No.707)


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特集JHS部門のサークル運営や改善の工夫を知ろう!はじめに1962年に,製造業のモノづくり現場からスタートしたQCサークル活動などの小集団改善活動は,1975年頃からは第三次産業へと普及・拡大し,今や事務・販売・サービス・医療・福祉・官公庁などの幅広い業界・業種で取り入れられています。近年,このJHS部門(製造業以外の分野)の発展と進化が目覚ましく,そこにはモノづくりとは異なった難しさを,様々な工夫によって克服した経験と実績が活かされています。JHS部門の特徴製造部門とJHS部門との大きな相違点は,仕事の品質にあります。製造は,形のあるモノづくりであり,JHSはサービス・モラール・リスクといった見えない品質を対象としています。また,お客様がエンドユーザーに近いという点や,少人数職場で一人ひとりが個別の仕事を担っている,などの特徴があります。したがって,QCサークル活動においても,●結果が見えない……達成感,意欲●判断が定性的………数値化,目標,成果●仲間が少ない………負担感,テーマ選定●仕事内容が違う……問題意識,全員参加といった難しさが生じるのです。記事構成このような実態の中で,「運営の仕方や活動の視点を変える,感性的な問題を数値化する」といった独自の工夫で活性化しているサークルも数多くあります。そこで,今回の特集では,“JHS部門のサークル運営や改善の工夫を知ろう”と題して,改善事例(テーマ活動での工夫),インタビュー(事務局の工夫),アンケート調査結果,の構成で紹介します。JHS部門の更なる発展の一助になれば幸いです。紹介する事例の概要●仕事「形のないモノづくり」●品質「サービス,モラール,社会貢献,満足度,etc」●職場「個業・個別業種」●仕事「形のあるモノづくり」●品質「重さ,大きさ,速さ,硬さ,容量,機能,etc」●職場「同業・同業種」★結果が,見えるか見えないか★判断が,定量的か定性的か★仲間が,多いか少ないか★仕事が,同じか異なるかJHS部門製造部門企業・組織サークルいるみ令和☆トラベルKIZUNA№1㈱ジェイテクト中部国際空港旅客サービス㈱J:事務H:販売S:サービス㈱トヨタエンタプライズI:医療F:福祉U:運輸K:官公庁JR東海名古屋セントラル病院TALLTREE②介護老人保健施設おかなみTB物流サービス㈱航空自衛隊岐阜基地FirstHomeYDK田原SpecCheckers岐阜運営の工夫・改善の工夫置き忘れた傘の見える化調査項目を絞ってデータを収集・分析料理を冷まさない時間と保温の追究準備時間の短縮を看護サービスに活かす情報で得た腰痛の数値化を活用走行データを名人のノウハウで検証分刻みの積上げ効果で目標を達成(鈴井正巳)東海編集小委員会6月号特集メンバー委員長/藤本高宏委員/石崎厚司,河島和美,沓名克敏,櫻木善仁,鈴井正巳,鈴木徹,鈴木則子,戸屋一彦,八木雅弘,山田益久,米田哲也,渡辺正志2020年6月号9


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