QCサークル 2020年3月号(No.704)


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解説:PDCAの管理サイクル【PDCAと問題解決】目標を達成するための取組みにおいては,P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(処置)という行動パターンが基本であり,論理的で効率的に進めることができます。問題解決へのアプローチについても,PDCAを基本プロセスとしています。PDCAと問題解決の進め方とは,次のような関係に整理されます。Plan(計画を立てて…):テーマの選定〜対策案の検討Do(実行し…):対策の実施Check(結果を評価して…):効果の確認Act(処置を施す…):標準化と管理の定着【QCサークル活動におけるPDCAの回し方】維持管理サイクル改善サイクル1.改善サイクルと維持管理サイクルサークル活動によって,現状を維持・向上させていくにあたっては,改善のPDCAサイクルと,維持管理のSDCAサイクルの関係を理解しておく必要があります。すなわち,平常時は仕事を標準化された維持管理サイクルで回し,評価の段階で問題が生じた場合には,改善サイクルに移行して悪さを取り除き,結果が良好であれば,改善内容を標準に反映したうえで,維持管理に戻します。これらの両輪を回すことによって,スパイラルアップをはかることができます。2.大きなPDCAと小さなPDCA対策ありきや結果オーライの活動にならないためには,全体のPDCAだけではなく,ステップごとに小さなサイクルを回すことが大事です。特に現状把握・要因解析・対策検討の手順では,「計画を立てて,実行し,結果を確認して,判断した」というサイクルをそれぞれの手順の中で回し,論理的に結果を導くようにします。3.計画に沿った進捗への努力計画を軽視したり,ズレを修正せずにいてはいけません。進捗管理の拠り所は計画にありますので,つねに補正しながら進めるようにします。遅れは,役割分担作業への応援や,次ステップの並行実施などによって取り戻し,早まっていれば前倒しして,早期完了に努めます。これもPDCAのサイクルです。4.効果の確認と再チャレンジ「いつまでにこのレベルにする」と目標設定した活動の結果をチェックするのが,効果確認のステップです。まだ活動中(未達)だからといって期日を引き延ばすのではなく,その時点で一旦区切りをつけて実績値を確認します。目標未達成の場合には,再チャレンジへのPDCAを回すようにしましょう。全体の大きなサイクルと個別の個小さなサイクル26QCサークルNo.704(鈴井正巳)


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