QCサークル 2019年2月号(No.703)


>> P.12

以上のことから,お客様によい品質の製品や質の高いサービスを提供するために,職場でやらなければならないことは何でしょうか?ねらいどおりの製品やサービスを提供するためには,ねらいどおりのコストで,ねらいどおりの期日で必要な数量を提供するための管理が必要です。品質管理とは「買手の要求に合った品質の品物またはサービスを経済的に作り出すための手段の体系」という考え方です。買手の要求には価格や量・納期も含まれますので,それを満足させたうえで経済的であることが大切です。「経済的に…」を満たすことによって,供給元は,買手の要求に合った品質の製品やサービスを,継続的に提供することができます。ですから適正なコストはお客様のためでもあるのです。もちろん,提供元の勝手な都合でコストや量・納期の確保のために,狭義の品質が犠牲になってしまっては絶対になりません。品質にもいくつかの分類があります。①当たり前品質,②一元的品質,③魅力的品質以外に何がありますか。②質問解説②1月号の復習を含めて,改めて考えてみましょう。品質には,①当たり前品質,②一元的品質,③魅力的品質があることは説明しました。ただし時代の変化とともにこれらの要素は変わってきます。自動車を例にすれば,パワーウィンドウやアンチロックブレーキは30年前では魅力的品質でしたが,今ではほぼ当たり前品質になっています。この3つ以外にも,お客様の満足による分類には,以下のような品質があります。④無関心品質:あってもなくても,満足を与えず,不満も引き起こさない品質たとえば…取扱説明書を見る必要のない顧客における取扱説明書のわかりやすさ⑤逆品質:充足されていると不満を引き起こし,充足されていないと満足を与える品質たとえば…車内でゆっくり寝ていたい時のていねいな車内放送③質問お客様の満足を得るためには,定められた手順を順守して規格に適合した製品やサービスを提供するだけでよいでしょうか。解説③お客様から満足を得られる製品やサービスを提供するためには,まずはお客様が何を望んでいるかを調査することから始めます。この調査した結果をもとに,どのような製品やサービスを提供するかを考えます。これがいわゆる設計・開発です。その設計・開発した結果(図面や配合簿,作業手順書など)が,どれだけお客様の要望にマッチしているかの度合いが,ねらいの品質で,設計品質とも呼ばれます。ねらいの品質の考え方は,製品やサービスを対象にしていますから,製造業のみならず,サービス業なども含まれ,品質特性に対する品質目標ともいわれています。これに対して,ねらいの品質を目標にして製造した製品の品質,あるいは提供したサービスの質をできばえの品質といいます。以前は製品のみを対象に製造品質ともいわれていましたが,現在ではサービス業を含んでこう呼ばれています。54QCサークルNo.703


<< | < | >>