QCサークル 2019年10月号(No.699)


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連載講座QC検定受検講座~3級から2級へ~連載講座「QC検定受検講座~3級から2級へ~」小委員会メンバー委員長:須加尾政一委員:遊馬一幸,井上研治,大津渉,鈴木秀男,中島健一第10回計量値データに基づく検定と推定(2)9月号においては,1つの母集団に関わる検定と推定についてお話ししました。今月号では,2つ以上の母集団に関する検定と推定の概略について説明します。質問その①1つの母集団における母平均や母分散についての検定の考え方は理解できましたが,母集団が2つの場合については,どのように扱えばよいのでしょうか?検定の手順は,基本的には9月号で述べてきたSTEPの通りですが,2つの母集団における母平均の差の検定では,母分散の情報に基づいて検定統計量が異なってきます。また,2つの母分散に関する検定では,F分布に基づいた母分散の比の検定を行うため,検定統計量F0を12,…,用います。それぞれの検定では,母集団1と母集団2からそれぞれn1個のデータ2,V1,V2,Vな2n2のランダムサンプルを用いて必要な統計量1n1とn2個のデータ11,21,22,…,1,どを計算し,次頁の表・1に示される検定統計量を求めて検定を行います。なお,2つの母平均の差に関する検定において,データに対応がある場合には,n組の対応,不偏分散Vdのあるデータの差を1つのデータ(di=を求め,次頁の表・2の検定統計量を用いて,1母集団の場合と同様に検定を行います。2i,i=1,…,n)として扱い,平均1i-検定の手法では,たくさんの記号や数式が出てきますが,手順については,次頁の図・1で示す基本的パターンに変わりはありません。検定を行う際には,①母集団の数はいくつで,母数として何を取上げるのか,②どのような仮説を立てるのか(主張したいことを対立仮説とする),③検定で用いる検定統計量は何か,④棄却域に基づいて有意であるかどうか,のポイントに注意して取り組んでみてください。48QCサークルNo.699


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