QCサークル 2019年9月号(No.698)


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事例1「システム保守見積り」業務の改善グローリー㈱保守本部カスタマサービス統括部システムサポート部1.職場の紹介私たちの業務は,主にパソコンシステム製品のリリース対応業務とシステム製品を円滑に保守するための準備をしています。システムの安定稼働のため,お客様には「保守契約に加入」していただく必要があり,その「保守契約」に関わる「システム保守見積り」業務について取り組みました。システム構成組合せ図・1システム保守見積りの概要パソコンシステム製品2.テーマの選定当システム製品は,図・1のようなシステム構成になっており,自社製品に加え,他社製のサーバー,クライアントPC,プリンタなどで構成されています。PC製品は,マイナーチェンジが多く,その都度,保守料金が変更されます。また,システム構成のパターンも何千何百通りとあり,都度,保守料金を保守委託メーカへ問合せする必要があり,見積りには多くの時間と手間がかかっていました。私たちは,お客様へのサービス向上のためにも本テーマに取り組むこととしました。【ポイント①】日々お客様との対応に追われ,担当者任せ(属人化)になっていた業務に着眼し,複雑で,かつ繁雑な作業にチーム一丸となって,改善に取り組んでいます。また,自分たちが楽になることだけでなく,同時にお客様の満足度向上に直結する難しいテーマにチャレンジしています。3.現状の把握①見積もり案件,1件当たり約4時間(図・2参照)◆システムサポート部にて機器構成の確認や保守可能な機器であるかの確認に約「1時間」◆保守業務センターにて保守委託メーカーへ保守料金問合せ準備,メールでの問合せに約「3時間」②お客様が望むシステム保守見積りとのギャップシステム製品では,商談が進むに従ってお客様のイメージも膨らみ,企画段階では存在しなかった要望も加えられ,サーバーの仕様変更やシステム構成の変更などによって,提案を繰り返していくうちに当初より見積り金額が高くなっていきます。過去には,見積り金額に対し,最終+200万円となったこともあり,お客様にご迷惑をおかけしていました(図・3参照)。③見積り依頼しすべてに同じ業務フローで算出企画・提案をするも残念ながら失注するケースもあります。過去10年のデータを分析した結果,約4割が10QCサークルNo.698お客様営業部門保守業務センターシステムサポート部保守委託メーカーメーカー専用フォーマットへの入力メールにて保守料金問合せ図・21件当たりの見積り工数お客様が望むシステム保守見積りとのギャップ~商談が進むにつれて~お客様の要望が変化(スペックアップ,システム構成変更など)図・3お客様とのギャップ


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