QCサークル 2019年7月号(No.696)


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連載講座QC検定受検講座~3級から2級へ~連載講座「QC検定受検講座~3級から2級へ~」小委員会メンバー委員長:須加尾政一委員:遊馬一幸,井上研治,大津渉,鈴木秀男,中島健一第7回工程能力指数と相関分析これまでにヒストグラム、管理図などのQC七つ道具やデータの分布のばらつきを表現する代表である標準偏差について学んできました。今月号では,正規分布や工程の安定状態の考え方を踏まえて,工程能力を定量的に評価するための工程能力指数,散布図さらに,2つのデータの関係性を把握するための数量である相関係数について学習していきます。ヒストグラムを作成して規格と比較する場合のポイントは何でしょうか?次のような点に着目して,規格(上限規格と下限規格)と比較しその関係を調べます。①分布の中心は,規格値の真ん中にあるか②分布のばらつきは大きすぎないか,また,必要以上に小さすぎないか③規格よりはみ出しているデータはないか④分布は規格の幅の中にゆとりを持って入っているかなどです。(1)規格を満足している場合も規格のほぼ中央にあり,図・1理想的な場合:規格幅に対してばらつきが小さく,平均値ヒストグラムから求めた標準偏差の大体4倍ぐらいのところに規格があるので理想的な場合といえます。図・2片側に余裕のない場合:規格に対するばらつきは十分ですが,分布の中心が右にずれています。分布の中心を規格の中央に移動させるような処置が必要です。図・3両側に余裕がない場合:分布の中心は規格の中央にきているものの,ばらつきが大きすぎます。ばらつきを小さくするような処置が必要です。図・4余裕がありすぎる場合:規格幅に対してばらつきが非常に小さく余裕があるため,ばらつきを抑えるために時間やお金を割いている場合は,それを見直すことも必要です。2019年7月号51


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