QCサークル 2019年3月号(No.692)


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2.サークルを取り巻く環境私たちの循環器内科の病棟では,心臓・腎臓疾患の患者さんが多く,ハイリスクな疾患であり,日々緊張感が必要とされる看護を行っています。3チームで24時間を2交代制となっており,スタッフの総数は約40名,そのうち95%が女性という職場です。このような勤務形態に加え病棟間の異動も多く,サークルメンバーを固定することが難しいため,年度ごとにテーマを選定し,その都度メンバーを募ります。活動開始から5年間で,延べ50名のメンバーがサークル活動に参加しています(図・2参照)。図・2病棟内の看護体制・勤務形態3.サークル活動前の私たちの部署は…活動前,私たちの部署は残業が多く,その日のことで精いっぱい。そして,患者さんよりも先輩や医師に気を使う風土がありました。看護は失敗が許されない緊張感にも関わらず,会話も少なく,息苦しく閉塞感が漂っていました。そんな状況でしたから若いスタッフにとってはつらい職場で,離職率も高く,看護学生からの配置希望は「ワースト・ワン」という不人気な部署でした(図・3参照)。4.QCサークル活動の導入2010年4月,大岩院長の号令で,当院においてもQCサークル活動の導入が決まった26QCサークルNo.692医師は看護師に興味がない失敗が許されない患者より先輩・医師に気を使う当時の部署の問題点・・・・忙しく残業だらけ毎日精いっぱい若いスタッフが安心できない離職率も高い看護学生配置希望ワースト1図・3サークル活動前の状況のですが,何をきっかけにどんな風に活動を開始したらよいか模索していました。そんな矢先に,QCサークル北海道支部から「苫小牧・千歳地区ミニ発表会」を病院内で開催しようという話が舞い込みました。この話に,王子総合病院にサークル活動を導入しようとした推進役の宮脇副部長が「これだ!」と飛びつき,発表会が実現しました。5.QCサークル活動やってみようよ!「やらされ木」“耕し”この発表に触発されたのが,当時病棟の管理者であった千葉看護師長です。「業務改善はおもしろい」,「確信したこれはよい!」,「やりたい!でも一人ではできない」…そんなところに私(谷川)が人事異動でやってきたのです。看護師長から「みんなで職場を変えようよ」,「きっと楽しいよ」と熱心な勧誘。私たちは「そもそも,QCって何?」,「ただでさえ忙しいのだから,空気読んでよ」と職員はみんな拒否反応。それでも千葉師長の熱意は4ヵ月間続きました(図・4参照)。6.サークル活動が始まった!「やらされ木」“種まき・水やり”千葉師長の執拗な説得もあり,しぶしぶ活動が始まりました。最初の改善事例は「残業時間削減」です。テーマごとにメンバーを募


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