QCサークル 2018年2月号(No.679)


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2018年2月号55職場には数多くの問題・課題があります。だからといってすべての問題・課題を同時にまとめて解決することは,要員やコスト,時間などの制約で,現実的には実現は困難な場合が多いようです。限られた制約条件の中で,できることから改善していくという考え方もあります。しかし,それ以上に,会社経営,あるいはお客様や社会への影響などを考慮して,影響の大きい問題・課題を優先的に取り組むことのほうがより重要です。多くの項目の中から重要度の高い項目を選択し,そこへ経営資源(人,モノ,カネなど)を集中させる,このことを重点指向といいます。決して解決のしやすさ,難易度などで取組みの優先順位を決めてはいけません。具体的には以下のような進め方があります。とあるプロセスでの損失をパレート図などに表します。この場合も損失は個数・件数や時間ではなく,例えば金額に換算するとよいでしょう。金額で比較することにより問題・課題の重要性を客観的に判断できます。特に民間企業の場合,企業業績の評価は金額がベースになります。損失個数・件数が多くても損失金額の少ない項目に対策を講じては,効果金額は当然少なくなります。図・1は,ある製品の損失を個数と金額第2回QC的ものの見方・考え方②QC検定受検講座連載講座連載講座「QC検定受検講座」小委員会メンバー委員長/松田啓寿委員/遊馬一幸,大津渉,木内正光,長塚豪己,平野綾子不適合件数のパレート図損失金額のパレート図製品名:○○期間:4月1日~4月30日作成者:新倉製品名:○○期間:4月1日~4月30日作成者:新倉その他はがれしわゆがみかけ色むらきず累積比率累積比率損失金額不適合件数その他ゆがみはがれしわかけきず色むら10090807060504030201008006004002000(%)(千円)1009080706050403020100200150100500(%)(件)N=793千円N=198件①重点指向〈選択,集中,局部最適〉図・1不適合件数と損失金額での比較(出典:『QCサークル』誌NO.5652008年9月号連載講座「はじめて学ぶQC七つ道具」P.61一部加筆)不適合件数のパレート図損失金額のパレート図製品名:○○期間:4月1日~4月30日作成者:新倉製品名:○○期間:4月1日~4月30日作成者:新倉その他はがれしわゆがみかけ色むらきず累積比率累積比率損失金額不適合件数その他ゆがみはがれしわかけきず色むら10090807060504030201008006004002000(%)(千円)1009080706050403020100200150100500(%)(件)N=793千円N=198件


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