QCサークル 2022年8月号(No.733)


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事例1強みの源泉となる「楽しい」,「面白い」ことを指向ミツ精機㈱《改援隊の役割》全部門に横串を通して1.会社紹介当社は,兵庫県淡路市にあり,航空機部品・医療機器部品などの難削材を機械加工をしている会社です。業務改善では,「改援隊(改善活動推進部門)」という,縦割り組織に横串を通すサポート部署を設置(図・1参照)。部門間の垣根を越え,改善テーマに対して各課のメンバーを集めた小集団活動を5年前からスタート。直属の上司や改援隊もメンバーの一員として加わり,活動支援。全社部門の改善風土づくりに取り組んでいます。小集団活動に取り組むため,まず“改善とは…”からスタートし,“ミツ精機の小集団活動”を模索している状態です。メンバーの“自分たちの目の前の問題を何とかしたい!”という思いがモチベーションになっていますが,右も左もわからず,手探りで進める中で,問題解決に行き詰まるような“苦労(しんどさ)”が立ちはだかると,“やる気”を保つことが難しくなります。「やらされ感」をなくし,「どうせやるなら,楽しくやろう!」そんな工夫を考え,実践していきました。一枚岩の活動を推進する!図・1改善活動推進“改援隊”の役割2.事例紹介工夫点1:設備の負荷集中を軽減する「HS6Aサークル」は,テーマ「設備の負荷集中を軽減する」に取り組みました。大型設備で加工している製品が増産予定となりました。ほかの設備で代替生産ができないため,負荷オーバーが予測される加工・段取り工数の短縮を目指しました。自分たちだけで活動していると,自己満足になり,行き詰まるとストップしてしまいますが,目標達成までやる気につながるしかけがあれば,“しんどさ”を“やりがい”に変えることができるのではないか?と考えました。そこで,自部門の人や上司,社長,工場見学に来られる社外の人の“興味を引く”ことをねらいに,もっとも目立ちそうな活動対象の大きな設備(図・2参照)に活動目標と進捗状況を掲示してみました。すると,社長をはじめ,社内外の人から,「これは,どんな活動なの?」,「また削減時間増えてるやん!」と声をかけられ,興味・関心を持ってもらうことができました。掲示板を更新するたびに“努力が目に見える形”となり,メンバーのやる気アップにつながりました。このような工夫があり,目標1,159時間/年を上回る,1,229時間/年の工数短縮に成功しました!工夫点2:新規設備導入による立上げと最適化生産「炎の小集団MU4000サークル」は,テーマ「新規設備導入による立上げと最適化生産」に挑戦しました。「最新設備の性能を使いこなしてほしい」という社長の要望と,「こういう加工図・2設備の一番目につくところに目標と進捗を掲示10QCサークルNo.733


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