QCサークル 2020年12月号(No.713)


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特集グローバル展開あれこれ!多くの企業・組織が海外に営業,生産,開発などの拠点を展開し,グローバルに事業を展開しています。顧客,関連会社やパートナーを含めると,海外とかかわりを持って仕事をしている職場がほとんどだと思います。1962年に日本で誕生したQCサークル活動(小集団改善活動)も,このような社会の流れに伴って,今では,日本だけでなく世界中で,製造業だけでなくサービス,小売,エネルギー,通信,運輸,医療・福祉,教育,金融などの様々な分野で実践され,効果を上げています。昨年9月には東京でICQCC(国際QCサークル大会)が開催されましたが,その様子を見て,活動の活発さに驚いた人も少なくないと思います。他方,海外拠点でQCサークル活動(小集団改善活動)を推進したり,海外の人たちと共同で活動を進めたりするうえでは,文化や価値観,言葉の違いによって様々な難しさが生じます。この難しさを乗り越えられないと思ったような成果が得られません。どうすればよいか悩みを抱えている,推進者,リーダー,管理者の方も多いと思います。今月号の特集では,グローバル展開を進める中で行われているQCサークル活動(小集団改善活動)の推進や活動の工夫をいろいろ紹介したいと思います。まず,3つの分野を取り上げ,先進的な取組みをしている企業の事例を紹介します。1.地域の違いを認め,現場ニーズに合った推進を目指して2.創業100周年に向けた世代交代・グローバル化の推進3.グローバル大会を軸にしたQCサークル活動の活性化それぞれの企業におけるグローバル展開の状況,展開における推進や活動の工夫などを,自職場に当てはめるとどうなるか考えながら読んでいただければと思います。次に,海外拠点を担当している推進者・事務局の方を対象に,QCサークル活動をどうスタートするか,モチベーションの維持・向上をどうはかるか,文化・価値観の相違をどうやって乗り越えるか,QCサークル活動のよさをどう理解してもらうか,国内サークルと海外サークルの交流をどうはかるかなど,よくぶち当たる疑問に答えたいと思います。自職場だけを見ていてはなかなか乗り越えられない難しさも,ほかの企業・組織における工夫を知ることで克服のヒントが得られることも少なくありません。ぜひ視野を広げる一つの契機にしてもらえればと思います。(中條武志)関東編集小委員会12月号特集メンバー委員長/中條武志委員/石井英行,石田太,志村嘉男,杉本高一,林篤孝2020年12月号9


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