QCサークル 2020年4月号(No.705)


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特集QCサークル活動のいろははじめにこの雑誌を手元に持つ頃は,おおよそ新年度のはじまりです。新入社員は気持ちを新たに新天地での勤務が始まり,また新入社員に限らず,新たな気持ちになることが多いかと思います。また,読者の組織内(企業,団体,行政…)ですでに改善提案やQCサークルの手引きがあり,適用し進めている場合もあれば,試行錯誤を繰り返している場合もあるかと思います。今回の特集では,QCサークル活動のいろは」として,QCサークル活動(小集団改善活動)に参加する人たちにとって,下記の5点にポイントを当てて,事例を通じて紹介をしていきます。1.簡単に読めて参考になると思われること(わかりやすく平易に書かれていること)2.手引き的な内容であること(「いろは」との関係を明示)3.新人に早く活動になじんでもらうこと(QCサークル事例の進め方・概要がわかること)4.教育や指導する立場の参考となるもの(事例研究)5.事例の背景を考えること(適用までの階段を考えること)1については,平易な言葉で異業種・他分野でも理解できることで,自分の分野に変換できることです。2は,執筆量の関係で一部の紹介ではあるがQC的なものの見方・考え方を進めるうえで,「あの考え方や活動の“いろは”は,〇〇の事例に書いている」と理解を深めてほしいことです。3は,新人にとっては組織に入って覚えることばかりですが,1と2を含め概要がわかるようにしてほしいことです。4は新人だけではなく,長年QCサークル活動に携わっているエキスパートの方にも温故知新の立場で考え,さらに再考・深化してほしいことです。5は新人のみならず,エキスパートの方にも「なぜこの系統図は△△の要素があるのか」と専門分野を除く因果関係を考察する力を養成してほしいと思っています。上記1,2,3に関連して,QCサークル活動のwebサイト1)では,基本的なことが述べられています。このサイト中でQCサークル活動は,QCサークルメンバーの能力向上・自己実現,生きがいのある職場づくり,お客様満足の向上および社会への貢献を目指して,組織にとっても社会にとっても,よりよい活動であるといえます。本特集を通じて述べたいことは,決して最初から難しいことに挑戦するのではなく,PDCAサイクルを回し,少しずつでもよいので階段を上り,自身の能力向上,組織の能力向上につなげてほしいと思っています。1)http://qc-circle.jp/business.html(QCCIRCLEFRONTLINE)本参考文献は,QCサークル活動(小集団改善活動)について,『現場とQC』誌の創刊(現在の『QCサークル』誌)とQCサークルの誕生,QCサークル活動の変遷,QCサークル活動の全国展開,QCサークル活動の基本理念・発展・期待がわかりやすくていねいに書かれており,全体を理解するためにはよいと思われる。(西敏明)中国・四国編集小委員会4月号特集メンバー委員長/西敏明委員/石山康弘,岩永雅彦,亀山薪太郎,小林孝行,津川智一,山岡勇樹2020年4月号9


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