QCサークル 2020年3月号(No.704)


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特集QCサークル活動による現場力の向上~QCサークル10の力~QCサークル活動は,全社的品質管理(TQM)推進の核となる現場第一線の活動として1962年に誕生して以来,半世紀を超える歴史を刻んできています。その活動の最大の魅力は「職場のコミュニケーション活性化と一人ひとりの能力向上」にあることは疑いの余地がないものでしょう。しかし,戦後の復興期や高度成長期とは職場第一線のQCサークルを取り巻く経営環境は大きく違ってきています。特に,企業活動のグローバル化や新興工業国あるいはBRICsに代表される世界工場とも世界市場とも呼ばれる巨大産業強国の台頭を受け,ものづくり現場の海外展開と国内工場のマザー化あるいはモノからコトへの企業経営重点課題の転換。さらには,「品質」よりも「生産性や効率」を優先する経営トップが出現するなど,サークルを取り巻く環境は大きく変化しようとしています。そうした中,半世紀を超えるQCサークル活動が培ってきた魅力をQCサークル近畿支部世話人と幹事の諸氏が編纂した『QCサークル10の力職場第一線の人財育成』に込めた思いを特集テーマとして取り上げることとなりました。それらは,「①業務遂行型から問題解決型現場の確立に有効である」,「②自主リーダーシップの育成に有効である」,「③平時の現場力と有事の現場力の向上に有効である」,「④疑問を持つ心の醸成に有効である」,「⑤現場の見える化により共通認識の向上に有効である」,「⑥現場の問題解決に必要な実力養成に有効である」,「⑦組織(集団)の能力向上に有効である」,「⑧現場のイノベーション創出とナレッジワーカー育成に有効である」,「⑨「品質は工程でつくり込む」の考えを養うのに有効である」,「⑩継続する力(ねばり,執着,愚直)の発揮に有効である」です。誌面の都合があるため,ここでは,①,④,⑤,⑥,⑧,⑨の6テーマを取り上げ,各社における取組みの実際を紹介します。TQM推進の一翼を担うQCサークル活動の原点が「コミュニケーション活性化と一人ひとりの能力向上」にあることを再認識していただけるものと自負しています。ぜひ,最後までご一読いただき,みなさんのQCサークル会合における学習材料として活用いただければ幸いです。(猪原正守)近畿編集小委員会3月号特集メンバー委員長/猪原正守委員/荒木孝治,北川泰弘,北廣和雄,清水義治,高木美作恵,田中創,名倉三加代,花田貴志,山﨑崇,山来寧志2020年3月号9


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