QCサークル 2019年2月号(No.691)


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こんな事例ですチップの原価低減のため,「使えるところまで使い切る」,「摩耗の限界を見極め,その限界まで使い切る」,「再利用できないかを考える」という3つの理にかなった考え方を徹底して行うことで,大きな成果を上げた点が読者のみなさんに参考になる事例です。接チップで使用金額がもっとも多いことがわかりました(図・1参照)。(%)100累積比率500期間:H29年3月作成日:4月10日作成者:河塚(%)100(千円)6746005004003002001000使用金額累積比率50期間:H29年3月作成日:4月10日作成者:河塚0(千円)1,28900600300使用金額0’17年3月度間材費実績’17年3月度溶接材料費(内訳)図・1間接費実績調査3.目標の設定課方針の収益目標達成と困りごと解決に向け,メンバー全員でチップの使用量を30%低減することにしました。目標値は,溶接チップ使用金額を月当たり14万7,000円の低減です。ステップごとにリーダーを指名し,パセリサークルトヨタ車体㈱刈谷工場●所在地:愛知県刈谷市一里山町金山100●構成人員:男性6名●メンバー年齢:平均45歳●結成:2007年6月●テーマ歴:23件目●本テーマの会合回数:8回●1回の会合時間:60分(時間内・外)1.会社・職場紹介当社は,ミニバン,商用車,SUVの完成車両メーカーです。刈谷工場のボデー工程では,足回りの重要部品であるサスペンションの溶接組付をメインとし,自働化率100%の工程で8車種9型式の生産を行っています。その中で私たちの職場は,組みつけられた製品の断面評価と精度評価を行うことで,溶接強度および機能の保証を行っています。傾向管理と良否の判定により異常が出る前にアクションをとり,後工程には絶対に悪い物は送らない品質の要となる工程です。2.テーマ選定みんなの困りごとをサークル会合で吸い上げました。私は,工具室に行った帰りに課長から,「最近チップの出庫多くないか?」と言われたことが気になっていて,それをみんなに相談したところ,メンバーからも「たしかに最近チップがなくなるのが早い」との声があり,評価した結果,私の困りごとがテーマに決まりました。そこで,まずチップの使用量を調べることにしました。間材費実績を調査すると,65%が溶接材料費で,内訳を見ると,全体の70%がアーク溶34QCサークルNo.691●第6000回QCサークル大会(本部主催札幌)からの推薦摩擦実態の見える化により3つの理をかなえた事例諦めない心で取り組んだ原価低減活動~アーク溶接チップの再利用化に挑戦~体験事例1


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