QCサークル 2018年11月号(No.688)


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2018年11月号39体験事例15月度の検査結果は,焼き総数393本中,焼き不良は32本(不良率8.1%)で,内訳は,焼き焦げが29本,生焼けが3本でした。(2)焼き焦げ不良の状況焼き焦げ不良を分類してみると,29本中19本が蜜焦げ不良となっていました(図・3参照)。(3)品種別蜜焦げ不良の状況扱っているイモの品種別蜜焦げ不良率を調べると,シルクスイート:10.3%,紅はるか:1.6%,紅あずま:0.9%と,蜜量の多さに応じた結果となっていました。(4)シルクスイート蜜焦げ不良率の他店比較トヨタ生協の取扱い店舗からデータをいただき比較した結果,電気式遠赤外線焼き機を用いている4店舗のシルクスイートの蜜焦げ不良率は,8.5~10.3%とほぼ差はないものの,本店屋外売場でガス式石焼き機を使う業者さんは,不良率が0%という驚きの結果でした。サークル会合では,「本店屋外の業者さんはその道30年のイモ焼き名人のおじさんで,ずっと焼き機の側にいて焼いているそうよ」,「私たちには,たくさんの青果の作業があるからムリムリ」と言った意見が出て,サークルは沈滞ムードになりました。そんな中,アドバイザーの店長から「名人の技能をデータで数値化し管理する,これが良い品をつくるQCの原点!」とのアドバイスがあり,止まりかけた活動が再び動き始めました。現状把握の結果から,テーマは「店頭販売における焼きイモの焼き焦げ不良撲滅」,管理特性を「シルクスイート蜜焦げ不良率」とし,「5月実績10.3%を9月末までに0%にする」を目標として,取り組むことにしました。達成できれば,お客様には,蜜焦げのない商品で喜んでいただけ,また,社内的には,焦げ品廃棄のムダをなくすとともに,蜜焦げの清掃時間も短縮できると判断しました。「シルクスイートが蜜焦げする」ことに対して,材料(シルクスイート),焼き機,人(店員),方法(焼き方)の観点から,なぜなぜ分析にて要因を掘り下げ検討し,要因①:焼き上がる時に蜜が出る要因②:焼き機の上段と下段で温度が違う4.目標の設定5.要因の解析図・2焼きイモ商品化まで図・3焼き焦げ不良内訳と蜜焦げ要所要所でのアドバイザーからの的確な指導は,サークルにとって大変ありがたいカンフル剤になります。学びどころ①イモの土を洗う②水分を拭き取る③焼きイモ機予熱⑥袋詰め⑦店頭陳列⑤品質検査焼きイモ用に仕入れたイモを洗う表面の水分をしっかり拭き取る予熱ONにして20分間待つ品種ごとの焼上り時間に取り出し品質検査合格品のイモは袋に入れる保温状態で売場に陳列前日当日不良発見焼きイモの商品化までの加工工程④70℃でイモを並べる⑧販売上段下段5本ずつ入れ70℃で60~80分間そのまま焼き続けるお客様がご購入蜜焦げ不良皮剥がれ不良焦げ面積大焦げ箇所多いその他00(%)19本蜜焦げ不良本数が多い66%305221焼き焦げ不良別本数(N=29)25201510520406080100(本数)蜜焦げ不良11月号_体験事例1_10.11.INDD3918/10/1217:39


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